PALTEK、エッジAI向けハードIPのEdgeCortixと提携:FPGAでエッジAI領域の低電力化を
PALTEKは、EdgeCortixと販売代理店契約を結んだ。ザイリンクス製アクセラレーターカードに、EdgeCortixが開発したエッジデバイス用推論プロセッサ向けハードウェアIPを実装し、省スペースや低電力化を必要にするエッジAI用途に提案していく。
自動運転やロボット、スマートシティーなどの用途に提案
PALTEKは2021年2月、EdgeCortixと販売代理店契約を結んだ。ザイリンクス製アクセラレーターカードに、EdgeCortixが開発したエッジデバイス用推論プロセッサ向けハードウェアIPを実装し、省スペースや低電力化を必要にするエッジAI用途に提案していく。
EdgeCortixは、低遅延でエネルギー効率に優れたエッジデバイス向け深層学習推論プロセッサ用ハードウェアIP「Dynamic Neural Accelerator」や、システムソフトウェアなどを開発している。
PALTEKは、このDynamic Neural Acceleratorをザイリンクス製FPGAが搭載されたアクセラレーターカード「Alveo U50」に実装。エッジAIソリューションとして自動運転やロボット、スマートシティー、ドローン、インダストリー4.0といった用途に提案していく。
Dynamic Neural Acceleratorの新製品「DNA-F200」は、FPGA上でディープニューラルネットワーク(DNN)推論を高速処理するのに適したIPコアである。HBM(High Bandwidth Memory)に対応するザイリンクス製Alveo U50/U50LV適応型アクセラレーターカード用に設計されているという。
命令セットはINT8ビットバッチサイズ1の推論用に最適化されており、「ResNet」や「YOLO」「SSD」「MobileNet」「FPN」「MonoDepth」など、主要な畳み込みニューラルネットワークに対応している。推論性能は3.7TOPS(300MHz動作時)である。
EdgeCortixは、独自のコンパイラ「MERA」やDNA-F200ビットストリームも提供する。これらを用い、PyTorchやTensorFlow Liteといったフレームワークで開発されたディープニューラルネットワークを、比較的容易にFPGAへ配置することができる。
MERAを用いると、CPUやGPU向けに設計されたネットワークをINT8ビットに量子化し、Alveoに実装されたDNA IP上で最適に実行できるという。MERAには、シミュレーターとインタープリタも組み込まれている。このため、コンパイルした後に、サイクル精度のパフォーマンスシミュレーションをしたり、INT8ビットの量子化がネットワークの精度に与える影響を定量化したりすることが可能である。
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