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3D NANDフラッシュの製造コストを2022年まで予測福田昭のストレージ通信(181) アナリストが語る不揮発性メモリの最新動向(8)(2/2 ページ)

今回は3D NANDフラッシュのシリコンダイ製造コストが2020年〜2022年にどのように変化するかを解説する。

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64層から256層までのシリコンダイ製造コストを推定

 大手5社の名称は明らかにしていないが、Samsung Electronics、SK hynix、Micron Technology、キオクシア-Western Digital連合、Intelの5社(厳密には4社と1グループ)とみられる。シリコンダイの製造コストには組み立て(パッケージング)コストとテストコストは含まれていない。

 2020年の時点でシリコンダイ製造コストをワード線(メモリセル)の積層数で比較すると、96層の世代が最も低いことが分かる。前世代の64層よりも低く、次世代の128層よりも低い。時間の経過に伴う製造コストの減少ペースは128層品が大きく、2021年には大手5社が最小コストで製造する世代は128層となる。

 また2021年に登場する176層のTLC品は、ダイコストが128層品と同じかわずかに低い。さらに次の世代である256層のTLC品は2022年に量産が始まる。256層のTLC品はダイコストが当初から、176層のTLC品よりも低くなると予測する。なお中国YMTCが製造する64層品のダイコストは、大手5社に比べて大幅に高い水準にある。


3D NANDフラッシュメモリのシリコンダイ製造コスト推移(組み立てコストとテストコストは含まない)。出典:FMS 2020の講演「Flash Memory Technologies and Costs Through 2025」の配布資料(クリックで拡大)

96層の覇者が、128層でも覇者とは限らない

 シリコンダイの製造コストは毎年、下がっていく。新しい技術が毎年のように開発され、採用されている。ただし、製造コストを低減していくための要素技術の導入時期は、3D NANDフラッシュのメーカーによって異なる。


3D NANDフラッシュのシリコンダイ製造コストに関するまとめ。出典:FMS 2020の講演「Flash Memory Technologies and Costs Through 2025」の配布資料(クリックで拡大)

 ここで重要なのは、ある世代で製造コストを最も低くできたメーカーが、次の世代でも製造コストを最も低くできるとは限らないことだ。96層世代の覇者が、128層世代でも勝つかどうかは分からない。技術世代ごとに勝利者が異なる可能性は十分にある。

次回に続く

⇒「福田昭のストレージ通信」連載バックナンバー一覧

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