CO2や温湿度を検出、空気環境センサーモジュール:アルプスアルパインが開発
アルプスアルパインは、室内の二酸化炭素濃度と温湿度を高い精度で検出できる「空気環境センサーモジュール」を開発した。新型コロナウイルス感染対策などの用途に提案していく。
新型コロナウイルス感染拡大を防止
アルプスアルパインは2021年6月、室内の二酸化炭素(CO2)濃度と温湿度を高い精度で検出できる「空気環境センサーモジュール」を開発したと発表した。新型コロナウイルス感染対策などの用途に提案していく。
空気環境センサーモジュールは、Sensirion社との協業によって開発した。このモジュールには、光音響分光方式(PAS)のCO2センサーを搭載した。この方式は、射出した赤外線にCO2分子が触れた時に生じる振動音を、マイクロフォンで収音することでCO2濃度を検出する仕組みである。
一般的なCO2センサーに用いられている非分散赤外線吸収方式(NDIR)と比べ、いくつか特長がある。例えば、PAS方式は検出精度が赤外線の路長に依存しないため、センサーサイズを小型化できるという。採用したセンサーサイズは10.1×10.1×6.5mmと小さい。また、NDIR方式は赤外線射出機と対面して設置する検出器が必要となるが、PAS方式は検出器が不要である。このため、外部からの衝撃などによる検出誤差などが生じないという。
開発した空気環境センサーモジュールは、2022年度中に量産を始める予定だ。主な仕様は外形寸法が24×16×7.8mm、検出範囲は400〜5000ppm、CO2センサーの検出精度は、±40ppm+5% of reading、温湿度センサーの検出精度は±9%RH/±1.5℃(代表値)となっている。電源電圧は2.4〜5.5V、動作温度範囲は−10〜60℃である。
アルプスアルパインは今後、CO2センサーや温湿度センサーの他、PM2.5や揮発性有機化合物(VOC)、アルコールを検出するセンサーなどを混載したモジュールの開発も検討している。
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