ニュース
高い実装信頼性を実現する半導体パッケージ基板材料:低熱膨張率で反りを抑制
パナソニック インダストリアルソリューションズ社は2021年6月22日、低熱膨張性で反りを抑制するとともに、はんだボールへの応力低減を実現した「半導体パッケージ基板材料(品番:R-1515V)」を製品化したと発表した。
パナソニック インダストリアルソリューションズ社は2021年6月22日、低熱膨張性で反りを抑制するとともに、はんだボールへの応力低減を実現した「半導体パッケージ基板材料(品番:R-1515V)」を製品化したと発表した。同年7月から量産を開始する。CPUやGPU、FPGA、ASICなどのFC-BGAパッケージの用途に向ける。
今回開発した材料は、熱膨張率(CTE)を4ppmと、半導体チップのCTEに近い値まで低く抑えている。これにより、基板材料とチップ、双方のCTEの差によって発生する反りを抑制し、一次実装(チップ実装)の不具合を低減する。
新しい材料は、独自の樹脂設計技術により、低いCTEを確保しつつ、伸縮性と緩衝性も兼ね備えている。これにより、半導体パッケージとマザーボード間のはんだボールにかかる応力を吸収して分散させ、一次実装の品質に影響を及ぼすことなく二次実装の信頼性を向上させることが可能だ。
さらに、回路基板材料開発で培った樹脂流動制御技術により、樹脂の流れを抑制しながら、厚みのばらつきの極小化を実現。基板とICチップの接合を安定させ、一次実装の信頼性がさらに向上する。
高集積化、高性能化が進む半導体ICでは、パッケージの高密度化が進み、実装においても高い信頼性が求められるようになっている。R-1515Vは、そうした要求に応えるものだとパナソニックは発表した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- NDK、1008サイズで厚み0.25mmの水晶振動子を開発
日本電波工業は、小型で低背設計の水晶振動子「NX1008AB」を開発、サンプル出荷を始めた。2022年7月より量産を行う。ウォッチやワイヤレスイヤホンなどウェアラブル機器の用途に向ける。 - 村田製作所とCooler Master、薄型放熱部品を開発
村田製作所と台湾Cooler Masterは、厚みが200μmと極めて薄い、電子機器向け放熱部品「ベイパーチャンバー」を共同開発した。5G対応スマートフォンに実装されたICなどから発生する熱を効率よく分散し、放熱することができる。 - 基板に有機化合物を自在に塗布する技術を開発
東京工業大学は、水中で電気刺激を与え、色素などの有機化合物を自在にプラスチックやガラスといった基板上に塗布する技術を開発した。 - 日本触媒、有機EL用電子注入材料をNHKと共同開発
日本触媒は、有機EL用の新たな電子注入材料をNHKと共同で開発した。この材料を用いると陰極から直接、発光層へ電子注入を行うことができるため、有機ELの構造を簡素化できるという。 - 持ち運びできる蓄電池で「どこでも電源を確保」
パナソニック ライフソリューションズ社は2021年3月24日、可搬型バッテリーの新製品「イーブロック(e-block)」を発表した。充放電器から取り外して持ち運べるので、任意の場所で手軽に電源ポイントを確保できることが特長だ。 - 日本ガイシとローム協業、半固体電池+電源を提案へ
日本ガイシとロームは2021年1月20日、電池交換不要のメンテナンスフリー機器実現に向けて協業すると発表した。