TIがMicronのリーハイ工場を買収へ:「3D XPoint」の製造拠点
米Texas Instruments(TI)は2021年6月30日(米国時間)、米国ユタ州リーハイにあるMicron Technology(以下、Micron)の300mmウエハー工場を、9億米ドルで買収する契約で合意したと発表した。
米Texas Instruments(TI)は2021年6月30日(米国時間)、米国ユタ州リーハイにあるMicron Technology(以下、Micron)の300mmウエハー工場を、9億米ドルで買収する契約で合意したと発表した。
同工場は、Micronが、Intelと共同開発した不揮発メモリである「3D XPoint」の製造拠点だった工場だ。Micronは2021年3月、3D XPointの開発から撤退し、それに伴ってリーハイ工場の売却も進めると発表していた。
TIによる買収後は、リーハイ工場はTIにとって、「DMOS6」「RFAB1」および間もなく完成予定の「RFAB2」に続く4つ目の300mmウエハー工場となる。リーハイ工場では、65nmおよび45nmプロセスでTIのアナログICと組み込みプロセッシング製品を製造する計画だ。TIによれば、必要に応じてそれ以降の先端プロセスノードを導入する可能性もあるという。
TIとMicronの両社によると、売却は2021年末までに完了する予定。TIは、リーハイ工場で最初の収益が得られるのは2023年初頭になると見込んでいる。
TIの技術および製造部門でシニアバイスプレジデントを務めるKyle Flessner氏はリリースで、「リーハイ工場は、素晴らしい資産であり、素晴らしいチームもある。先端プロセスの立ち上げと製造において、こうした資産とチームが持つ知見と技術的なスキルに大いに期待している」と述べた。
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