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ローム、SiC SBDを内蔵した耐圧650VのIGBTを開発従来のIGBTに比べ損失を67%低減

ロームは、SiCショットキーバリアダイオード(SBD)を内蔵した耐圧650VのIGBT(Hybrid IGBT)「RGWxx65Cシリーズ」を開発した。車載信頼性規格「AEC-Q101」に準拠しており、xEV(電動化車両)や太陽光発電などの用途に向ける。

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AEC-Q101に準拠、車載や産業機器の過酷な環境にも対応

 ロームは2021年7月、SiCショットキーバリアダイオード(SBD)を内蔵した耐圧650VのIGBT(Hybrid IGBT)「RGWxx65Cシリーズ」を開発したと発表した。車載信頼性規格「AEC-Q101」に準拠しており、xEV(電動化車両)用オンボードチャージャー(車載充電器)や太陽光発電用パワーコンディショナーなどの用途に向ける。


RGWxx65Cシリーズの外観

 RGWxx65Cシリーズとして今回販売するのは、コレクター電流が30Aの「RGW60TS65CHR」、同40Aの「RGW80TS65CHR」および、同50Aの「RGW00TS65CHR」という3製品。導通損失はいずれも1.5V(代表値)である。新製品は、IGBTの帰還部(還流ダイオード)に、損失が小さいSiC SBDを採用した。これによりオン時のスイッチング損失(ターンオン損失)を大幅に削減できたという。パッケージはTO-247Nで供給する。

 Hybrid IGBTを車載充電器に搭載した場合、シリコンファストリカバリーダイオード(Si-FRD)を採用した従来のIGBTに比べ、ターンオン損失を67%も削減できる。スーパージャンクションMOSFET(SJ-MOSFET)と比べても24%の削減が可能だという。変換効率は、幅広い動作周波数で97%以上を達成している。動作周波数が100kHz時にはIGBTと比べ3ポイントも効率が高い。

 RGWxx65Cシリーズは既にサンプル出荷中で、2021年12月より月産2万個体制で量産を始める。サンプル価格(税別)は1200円。ロームは、駆動回路の設計手法を掲載したアプリケーションノートやシミュレーション用のSPICEモデルなどを用意し、同社の公式ウェブ上で無償公開している。

 なお、RGW60TS65CHRとRGW00TS65CHRについては、チップワンストップやコアスタッフオンラインなどのウェブサイトからも購入することができる。

 同社はRGWxx65Cシリーズとして、コレクター電流が20A品や25A品、30A品も開発中だという。これらはTO-263Lのパッケージで供給する予定。

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