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衛星/5G向けのKa帯GaN-on-SiC MMICパワーアンプMicrochip Technologyが発表

現代の衛星システムは、地球表面を幅広くカバーし高速なブロードバンドデータ伝送を提供する静止衛星コンステレーションをベースとしている。Microchip Technologyが2021年6月に発表した新しいMMIC(モノリシックマイクロ波集積回路)パワーアンプ「GMICP2731-10」は、Kaバンド(27.5G〜31GHz)と高RF出力、GaN-on-SiC技術を活用することで衛星通信の厳しい性能要件に対応することができる。

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 現代の衛星システムは、地球表面を幅広くカバーし高速なブロードバンドデータ伝送を提供する静止衛星コンステレーションをベースとしている。Microchip Technologyが2021年6月に発表した新しいMMIC(モノリシックマイクロ波集積回路)パワーアンプ「GMICP2731-10」は、Kaバンド(27.5G〜31GHz)と高RF出力、GaN-on-SiC技術を活用することで衛星通信の厳しい性能要件に対応することができる。GaN-on-SiCは、SiC基板上にGaN回路を形成するもので、0.15μmプロセスを適用する。


画像:Microchip Technology

 Microchip Technologyの製品マーケティング担当シニアマネジャーを務めるMike Ziehl氏は米国EE Timesのインタビューで、同デバイスの機能と、航空宇宙分野や5Gへの今後の適用について語った。飽和RF送信出力は最大10W。同社としては初となる衛星通信市場向けGaN MMICパワーアンプである。

 衛星通信業界は、帯域幅の需要の高まりに対応するため、X/Ku/K/Kaバンドなど、より高い周波数帯への移行を進めている。GaNは、これらの周波数で高スループット高出力と広帯域をサポートする。

 RFアーキテクチャは、スケーラブルかつ効率的で、非常にコンパクトである必要がある。5Gでは、より多くの基地局の設置によるマクロレベルの高密度化だけでなく、デバイスレベルの高出力密度が必要となる。GaNベースのRFパワーアンプは改善された電力性能によって、消費電力の低減やフォームファクターの小型化、温度管理の性能向上が求められる市場で主流になると期待される。

 Ziehl氏によると、「当初はKaバンドの衛星に焦点を当てていたが、この製品が運用国によっては5Gにも適していることに顧客が気付いた」という。

 GaNソリューションは、5G RFおよび衛星通信の重要コンポーネントとして浮上している。問題は、どの基板を適用するかだ。GaN-on-SiCは、Si基板を使うGaN-on-Siの3倍の熱伝導率を備えているため、はるかに高い電圧とより高い電力密度で、放熱を抑えてデバイスを動作させることができる。さらに、GaN-on-SiCの化学構造は、GaNとの調整がしにくいSiとは対照的に、結晶に欠陥のないデバイスを作製できる。

 エネルギー密度が向上すると、より小型のソリューションを構築できるため、コストだけでなく重量も削減できる。これは、航空宇宙アプリケーションでは特に重要である。GaN-on-SiCは、堅ろうで性能の劣化を最小限に抑えることができる。

 GMICP2731-10の電力付加効率(PAE)は20%で、Kaバンドにおいて39dBmの飽和出力と15dBの反射損失を実現する。平衡アーキテクチャを採用したGMICP2731-10は50Ωで整合を取ることができ、出力にDCブロッキングキャパシターを内蔵しているので、組み込みが容易になる。


27GHz帯における「GMICP2731-10」の特性 出典:Microchip Technology(クリックで拡大)

31GHz帯におけるGMICP2731-10の特性 出典:Microchip Technology(クリックで拡大)

 GMICP2731-10は、GaAs(ガリウムヒ素) MMICに比べて、消費電力と重量を30%以上低減できるとする。Microchip TechnologyはGMICP2731-10の評価ボードも用意している。


GMICP2731-10の評価ボード 画像:Microchip Technology

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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