エイブリック、車載向けバッテリー監視用ICを発売:電源分圧出力機能を初めて搭載
エイブリックは、電源分圧出力機能を搭載した車載用の高耐圧バッテリーモニタリングIC「S-191L/Nシリーズ」を発売した。車載電装機器用電源の過電圧検出やバッテリーの電圧検出といった用途に向ける。
低電圧や過電圧、アナログの監視をワンチップで実現
エイブリックは2021年7月、電源分圧出力機能を搭載した車載用の高耐圧バッテリーモニタリングIC「S-191L/Nシリーズ」を発売した。車載電装機器用電源の過電圧検出やバッテリーの電圧検出といった用途に向ける。
S-191L/Nシリーズは、高い電圧を低い電圧に分圧して、A-DコンバーターICに入力するための電圧を出力する「電源分圧出力機能」を搭載した。また、暗電流を抑えるために電源分圧出力機能を動作/停止させる制御回路も集積した。これによって、外付け部品と暗電流の削減を可能にした。パッケージは外形寸法が3.0×2.0×0.5mmのHSNT-8(2030)の他、HTMSOP-8でも供給する。
機能安全を実現するための監視機能も搭載した。例えば、電圧の低下や過電圧などを検出することで、ECUの誤動作やICの破壊を防止する。また、高速検出が可能なため、FTTI(故障耐性時間間隔)の配分にも有用だという。アナログ監視も可能である。
監視電圧を入力するSENSE端子は、入力可能な電圧範囲が−30〜45Vと広い。逆接続保護ダイオードを内蔵しているため、負電圧の印加が可能である。さらに、AEC(車載電子部品評議会)のQ100規格に対応する予定。PPAP(生産部品承認プロセス)にも対応可能である。
S-191L/Nシリーズの主な仕様は、動作電圧範囲が3.0〜36.0V、低電圧検出範囲は4.0〜10.0V、過電圧検出範囲は16.0〜18.0V、検出電圧精度は±1.5%、動作時の消費電流は0.9μA(代表値、ディテクター部)、動作温度範囲は−40〜125℃、などになっている。
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