アルプスアルパイン、IDECと合弁会社設立:FA、産機向け新製品開発で
アルプスアルパインとIDECは2021年7月30日、FA(ファクトリーオートメーション)、産業機械向け新製品の開発およびソリューション型ビジネスモデル確立を目的に合弁会社「IDEC ALPS Technologies」を設立する、と発表した。2021年9月1日に設立予定で、2022年後半に第1弾製品を市場投入していくという。
アルプスアルパインとIDECは2021年7月30日、FA(ファクトリーオートメーション)、産業機械向け新製品の開発およびソリューション型ビジネスモデル確立を目的に合弁会社「IDEC ALPS Technologies」を設立する、と発表した。2021年9月1日に設立予定で、2022年後半に第1弾製品を市場投入していくという。
IDEC ALPS Technologiesは資本金1億円で、出資比率はIDECが51%、アルプスアルパインが49%。本社はIDEC本社(大阪市淀川区)内に置き、社長にはIDEC常務執行役員で技術開発・環境担当の錦朋範氏が就任する。
アルプスアルパインは車載や民生分野におけるHMI(Human Machine Interface)技術のほか、センシング技術、高品質・安定生産技術、ソフトウェアインテグレーション技術に強みを持つ。一方でIDECは、産業機械分野でのHMI技術および安全技術に強みを持ち、産機市場の深い知見や高い認知度、高品質/多品種変量生産の技術、顧客ニーズに合ったソリューション提案力を有する。
今回の合弁会社設立の狙いについて、アルプスアルパイン社長の栗山年弘氏は、「HMIのリーダーとして共通の強みに加え、固有の強み、知見を活用した最適かつ革新的なソリューション提案によって高収益事業の確立を目指す」と説明。合弁会社では、産機、FAというIDECが深い知見を持つ分野で、高付加価値のHMI、安全、センシング機器の共同開発およびソリューションの提供を進めていく。事業規模の目標についてIDEC会長兼社長の船木俊之氏は「ゴールは100億円規模のビジネスだ」とし、その先にはグローバルでさらなる協業やM&Aなども検討していくという。
両社は合弁会社設立に先立って2021年1月ごろから商品開発をスタート。「既に両社の技術を組み合わせた新製品の開発プランをいくつか持っている」といい、2022年後半には第1弾製品を市場に投入する予定だ。製品の詳細は明かせないとしているが、船木氏は、「顧客が『これしかない』と思うような差別化した製品を作っていこうと考えている。高付加価値がキーワードだ」と説明。技術的バックボーンのある専門営業部隊による顧客密着型の体制を作り、ソリューションとして提供していく方針だ。
また、栗山氏は協業のメリットとして、「特にうちが弱みと感じている市場の知見を学べる機会が増えると考えている。結果的に、当社の産機、FAビジネスにもシナジー的に働いてくると期待している」とも述べた。
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