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ディスコの桑畑工場に新棟が完成、延床面積は1.3倍にまずは精密加工ツールを増産へ

ディスコは2021年8月6日、同社の広島事業所・桑畑工場(広島県呉市)に建設していた免震構造の新棟「A棟Dゾーン(以下、Dゾーン)」が完成したと発表した。新棟は、既存棟(A〜Cゾーン)を増設する形で建設され、これにより延床面積は従来比で約1.3倍に拡張された。

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 ディスコは2021年8月6日、同社の広島事業所・桑畑工場(広島県呉市)に建設していた免震構造の新棟「A棟Dゾーン(以下、Dゾーン)」が完成したと発表した。新棟は、既存棟(A〜Cゾーン)を増設する形で建設され、これにより延床面積は従来比で約1.3倍に拡張された。


桑畑工場の全景。左端が新設された「A棟Dゾーン」 写真:ディスコ(クリックで拡大)

 Dゾーンは地上8階建てで、延床面積は6万7795m2。投資総額は約140億円。2021年8月から順次稼働を開始する。

 現在、半導体の需要は右肩上がりで増している。WSTS(世界半導体統計)は2021年6月、同年の世界半導体市場規模は、2020年比で19.7%増となる5272億2300万米ドルになるとの予測を発表した。それに伴い、半導体製造装置の需要も高まり続けている。ディスコが今回、Dゾーンを新設したのも、こうした需要に応えるための製品供給体制の強化、そして、地震などの災害に備えた事業継続体制の強化が背景にある。

 ディスコのリリースによると、既存のA〜Cゾーンは現在、フルキャパシティーに近い状態だという。Dゾーンの新設により、主に精密加工ツールの生産エリアの拡張を図る予定だ。生産効率を上げるため、自動化設備の開発もさらに推進していくという。

 災害に備え、Dゾーンでは工業用水と生活用水の備蓄もできるようになっている。工業用水についてはDゾーンの地下に、約1000トンの用水を備蓄できる貯水槽を設けた。断水時でも精密加工ツールの生産を約10日、継続できる量だという。

 さらに、Dゾーン各所に上水、雑用水などの生活用水を合計約560トン貯水し、有事の際にも工場上階の社員寮居住者や災害復旧にあたる従業員、一時避難が必要な従業員とその家族などが10日間程度生活できる水量を確保した。生活用水の貯水槽は、既存棟にも順次設置していく。


地下に設けられた貯水槽 写真:ディスコ(クリックで拡大)

貯水槽(高架水槽) 写真:ディスコ(クリックで拡大)

 なお、ディスコは2021年7月20日に2021年度第1四半期(4〜6月期)の決算を発表。売上高は前年同期比で35.4%増となる482億円。営業利益は前年同期比で66.4%増となる154億円。経常利益率は30.5%だった。同四半期の受注高は約719億円で、過去最高となった前四半期(2020年度第4四半期)をさらに上回る高い水準で推移した。

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