パワーモジュール、車載インバーター向けに最適化:最大50kWのインバーター設計が可能
インフィニオン テクノロジーズは、最大50kWのインバーター設計が可能なハーフブリッジパワーモジュール製品「EasyPACK 2B EDT2」(FF300R08W2P2_B11A)を発表した。電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)のインバーター向けに性能を最適化した。
実績あるEasyPACKモジュールにEDT2技術を組み合わせ
インフィニオン テクノロジーズは2021年10月、最大50kWのインバーター設計が可能なハーフブリッジパワーモジュール製品「EasyPACK 2B EDT2」(FF300R08W2P2_B11A)を発表した。耐圧750Vの新製品は、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)のインバーター向けに性能を最適化したという。
インフィニオンはこれまで、車載機器や産業機器向けに、5000万個以上のEasyPACKモジュールを供給してきた。このモジュールに、低負荷時でも高い効率を実現できるEDT2(Electric Drive Train)技術チップセットを組み合わせることで、トラクションインバーターなどへの適用を可能とした。EDT2は他社製品に比べ損失が極めて低く、自社の前世代品に比べると性能が20%も向上した。
この他にもEasyPACKにはいくつかの特長がある。例えば、プラグアンドプレイ方式を採用したことで、モジュールの実装が容易となった。また、ピンのはんだ付けも不要である。さらに、独自のPressFITコンタクト技術によって、実装時間を短縮することができるという。
パッケージの外形寸法は42.5×51.0mmと小さい。「EasyPACK 2B」を3個並べて実装しても、その占有面積は1個の「HybridPACK 1」より、30%も少なくなった。車載向けパワーモジュールの性能評価に関する欧州規格「AQG324」にも完全準拠している。
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