日本TI、3Dホール効果位置センサーを発表:高い精度で低消費電力を実現
日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は、高い精度と低消費電力を実現した3Dホール効果位置センサー「TMAG5170」を発表した。
室温でのフルスケール総合誤差は2.6%を達成
日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は2021年10月、高い精度と低消費電力を実現した3Dホール効果位置センサー「TMAG5170」を発表した。
TMAG5170は、室温でのフルスケール総合誤差が2.6%である。ドリフトは総合誤差の3%で、競合製品に比べ30%も小さい値だという。交差軸磁界が存在する状況だと、35%以上も小さい誤差となる。精度が高いため、出荷前のキャリブレーションやオフチップでの誤差補償は不要で、システム設計などを簡素化できる。
TMAG5170は、角度計算エンジンや測定の平均化、ゲイン補償とオフセット補償など、各種機能を統合しており、オフチップでの計算を不要にした。システムMCUの負荷も、最大で25%削減することができるという。
また、制御ループの高速化、システムレイテンシの短縮、ソフトウェア開発の簡素化などを可能にした。さらに、通信や導通、内部信号パスに関するチェック機能など、独自のスマート診断機能の他、外部電源や磁界、システム温度に関する、構成可能な診断機能を搭載した。
複数の動作モードを備えることで、電力効率を高めた。負荷に応じてサンプリングレートも1〜20kサンプル/秒の範囲で最適化することができ、競合製品に比べ消費電力を70%以上も削減できるという。
パッケージは外形寸法が4.9×3mmの8端子VSSOPで供給する。参考価格(1000個購入時の単価)は最低1.139米ドル。TIのウェブサイトでは、日本円による購入も可能となっている。
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