ニュース
データを高速書き換え、8MビットQuad SPI FRAM:最大54Mバイト/秒の転送速度
富士通セミコンダクターメモリソリューションは、54Mバイト/秒の高速データ書き換えを可能にした、メモリ容量8MビットのQuad SPI FRAM「MB85RQ8MLX」を開発、サンプル出荷を始めた。
最大動作温度も105℃に拡張、産業機器にも適用
富士通セミコンダクターメモリソリューションは2022年1月、54Mバイト/秒の高速データ書き換えを可能にした、メモリ容量8MビットのQuad SPI FRAM「MB85RQ8MLX」を開発、サンプル出荷を始めた。
MB85RQ8MLXは、1M×8ビット構成で動作電源電圧は1.7〜1.95V。4ビットの入出力ピンと108MHzの動作周波数により、最大54Mバイト/秒でデータの高速書き換えを実現した。50MHzで動作するSPIインタフェースを備えた従来のFRAMに比べ、データ書き込み速度は最大8倍となる。しかも、最大動作温度は105℃に拡張しており、産業機器などの用途でも利用することができる。
消費電流は動作時が最大18mA、スタンバイ時が最大180μA。書き込み/読み出し保証回数は10兆回。パッケージは16端子SOPで供給する。高速でデータの書き換えが要求されるPLCやHMI、RAIDコントローラといった産業用コンピューティング、データセンターおよび、高性能コンピューティング(HPC)などの用途に向ける。
なお、動作電源電圧が3.3V(2.7〜3.6V)の8MビットQuad SPI FRAMも開発中だという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 8MビットFRAM開発、書き込み回数は100兆回保証
富士通セミコンダクターメモリソリューションは、消費電力を抑えつつ高速動作を可能にした8MビットFRAM「MB85R8M2TA」を開発、サンプル出荷を始めた。書き込み回数は100兆回を保証する。 - 誤り耐性量子コンピュータの研究開発体制を強化
大阪大学と富士通は、大阪大学の「量子情報・量子生命研究センター(QIQB)」内に、両者の共同研究部門として「富士通量子コンピューティング共同研究部門」を設置した。誤り耐性量子コンピュータの実現に向けて、研究開発体制を強化するのが狙い。 - ポスト5G基地局装置の相互接続性検証技術を開発へ
NECと富士通は、ポスト5G(第5世代移動通信)に対応する基地局用装置(O-RAN仕様準拠)間の相互接続性検証に必要となる技術の開発を、英国(NEC)と米国(富士通)のラボで始める。 - 次世代の大容量光通信用デバイス開発で2社が連携
古河電気工業と富士通オプティカルコンポーネンツは、次世代の大容量光通信に向けた集積デバイス開発を、連携して行うことで合意した。 - 4MビットFRAM追加、125℃対応で1.8〜3.6V動作
富士通セミコンダクターメモリソリューションは、動作温度範囲が最大125℃で車載グレードに準拠した4MビットFRAM「MB85RS4MTY」の量産を始めた。 - 東京大ら、低電圧で長寿命の強誘電体メモリを開発
東京大学は富士通セミコンダクターメモリソリューションと共同で、1V以下という極めて低い動作電圧で、100兆回の書き換え回数を可能にした「ハフニア系強誘電体メモリ」を開発した。