GFがシリコンフォトニクスプロセス「GF Fotonix」を発表:データセンター分野に向けて
GlobalFoundries(GF)は2022年3月7日(米国時間)、次世代シリコンフォトニクスプラットフォームとして「GF Fotonix」を発表した。主にデータセンター向けソリューションを対象としたプロセスで、300GHz帯RF CMOSと光学コンポーネントを同一チップ上に集積する、300mmウエハー対応のモノリシックプラットフォームとなる。
GlobalFoundries(GF)は2022年3月7日(米国時間)、次世代シリコンフォトニクスプラットフォームとして「GF Fotonix」を発表した。主にデータセンター向けソリューションを対象としたプロセスで、300GHz帯RF CMOSと光学コンポーネントを同一チップ上に集積する、300mmウエハー対応のモノリシックプラットフォームとなる。これにより、従来は複数のチップに分散していた複雑なプロセスを、シングルチップに集約できるとGFは主張する。
さらに、GFはリリースで「当社は、300mmウエハー対応のシリコンフォトニクスソリューションで、1ファイバー当たり0.5Tビット/秒(bps)のデータレートを実現するファウンドリー」とし、このプラットフォームにより、より高速かつ効率的なデータ伝送を行う、1.6T〜3.2Tbpsの光チップを実現できるとする。
GF Fotonixにより、PIC(フォトニック集積回路)において高い集積度を実現できるので、BOM(Bill of Materials)を簡素化できるメリットがある。
GF Fotonixを適用したソリューションは、2022年4月にリリースされる予定のPDK(Process Design Kit) 1.0とともに、米国ニューヨーク州マルタの工場で製造される。EDAのパートナーであるAnsys、Cadence Design Systems、Synopsysは、GF Fotonixに対応する設計ツール/フローを提供する。
GFは、GF Fotonixの開発や適用において、Broadcom、Cisco Systems、Marvell Technology、NVIDIAおよび、フォトニクス技術を手掛けるAyar Labs、Lightmatter、PsiQuantum、Ranovus、Xanaduと協業。通信速度や性能、消費電力などデータセンターの課題の解決を狙うとした。
GFはリリースで「データ伝送において電子ではなく光子の可能性を捉えた、画期的な半導体ソリューションに一層注力する」とコメントした。さらに、光通信モジュールのファウンドリーとして、売上高で2021〜2026年に年平均成長率26%を達成する見込みだとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- シリコンフォトニクスとは何か
今回は、「シリコンフォトニクス」技術を紹介する。そもそも「シリコンフォトニクス」とは何か、そしてその利点と課題について解説したい。 - 情報社会の大いなる“裏方”、光伝送技術
地球上に、網の目のごとく張り巡らされている光ファイバーネットワークなど、光通信は、われわれの生活に身近な技術である。だが、専門外の技術者にとっては「難しそうで近寄りがたい分野」だと思われているようだ。この連載では、おさえておきたい光伝送技術の基礎と現在のトレンドを分かりやすく解説していく。 - 光トランシーバーのForm Factorの新動向(8) 〜CPO/NPOと新しいデータセンター
前回の記事でお問い合わせを多くいただいたのが、新しい規格と紹介したNPO(Near Package Optics)と、CPO(Co-packaged Optics)が適用されると想定した新しい適用システムとして紹介したDisaggregated Systemに関してであった。今回はそれを少し詳しく触れてForm Factorの締めくくりとしたい。 - XanaduとImec、フォトニック量子プロセッサを共同開発へ
フォトニック量子コンピューティングを専門とするXanaduは、超低損失の窒化ケイ素導波路をベースとした次世代フォトニック量子ビットの開発に向けて、ベルギーの研究開発センターであるImecと提携すると発表した。 - クラウドに最適化したシリコンフォトニクスプラットフォーム
Marvell Technology(以下、Marvell)は、クラウドに最適化した最新のシリコンフォトニクスプラットフォーム「400G DR4」の生産体制が整ったことを明らかにした。400G DR4は、増大する帯域幅の需要と人工知能や機械学習に依存した高度なアプリケーションに対応するように設計されている。