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キオクシア、北上工場へのさらなる投資に意欲:四日市に匹敵する製造拠点へ(2/2 ページ)
キオクシアは2022年4月6日、NAND型フラッシュメモリの新たな製造拠点「北上工場第2製造棟」(岩手県北上市)の起工式を開催した。同社社長の早坂伸夫氏は「今後も(北上工場を)拡大して四日市に匹敵するような拠点にしたい」と述べた。
さらなる拡大に備え管理棟も建設
K2棟の建設に合わせて、管理部門、技術部門が入る管理棟も同時に建設する。管理棟については地上13階、地下1階建て、延床面積は約3万9000m2。約2000人の執務スペースを有する予定で「将来的な人員拡大に備える」(同社)
早坂氏は「四日市に大きな工場を有しているが、製造が1カ所に集中するリスクを考え、北上に進出した。今後も拡大して四日市に匹敵するような拠点にしたい」と、第3、第4の製造棟建設への意欲を示した。なお、キオクシアは今回、着工したK2棟の南側土地の一部を既に取得しており、さらなる工場拡張が可能な状況にある。
キオクシアの業績は、2021年(暦年)で売上高が前年比22.7%増の1兆4274億円、純利益が同約11倍の742億円で、過去最高の売上高を記録している。
早坂氏は「フラッシュメモリ市場はコロナ禍でも順調に拡大している。キオクシアとしても2019年、2020年、2021年と確実に収益ともに成長してきた。今後のNANDフラッシュ需要も、スマートフォン、データセンターで大きな需要が予想される。スマートフォンは台数以上に搭載容量が伸びている。データセンターについても、世界中で増設されており、非常に大きく需要が拡大しているためだ。今後も、需要は記憶容量ベースで年率30%前後は拡大していくだろう。世の中の需要拡大に応じて必要な投資は実施していく」とした。
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