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Micronの2022年2Q決算、営業利益が約4倍にサプライチェーン問題を回避(2/2 ページ)

Micron Technologyは、2022会計年度第2四半期(2020年3月3日を末日とする)の業績発表を行い、サプライチェーン問題を回避し、前年同期から約4倍の営業利益(25億4600万米ドル)を達成したことを明らかにした。

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Appleも採用検討?中国勢の伸長で新たな競争局面へ

 Micronは、最大のライバルであるSamsung ElectronicsとSK Hynixと共に、3社でメモリチップ市場における優位性を確立している。しかし現在、YMTC(Yangtze Memory Technologies Corporation)などの中国のライバル企業との間で、新たな競争に直面しているところだ。

 台湾のニュースメディアDigiTimesによれば、YMTCは、128層3D NANDフラッシュメモリに関するAppleの検証をクリアし、2022年5月にもAppleに向け試験出荷することを予定しているという。 Bloombergによると、Appleは、キオクシアの工場で不純物を含む部材の混入が発生し、供給が妨げられたことを受け、iPhone製品シリーズ向けのNANDチップの供給源を分散化する必要に迫られているという。

 Micronは、「競合メーカーの工場で材料汚染問題が発生したために、NANDの供給が大幅に減少している。一部のデバイス不足は、2023年まで続く可能性がある」と述べている。

 また同社は近年、ウエハー生産能力の拡大を一時停止しているが、それはコストを抑えて投資をシフトさせることにより、既存のクリーンルーム設備を改善するためだという。

 Mehrotra氏は、「Micronはここ数年間で、米国や台湾、シンガポール、日本などにある当社のクリーンルームに資金を投入してきた。われわれは、世界各国にある製造拠点の分散化を進め、クリーンルームの規模を拡大したことにより、自社生産における技術移行を実現可能な位置付けを得ることができた」と述べる。

10年間で1500億米ドルの投資計画

 同社が2021年に発表した投資計画によると、世界各国の製造/研究開発拠点において今後10年間で1500億米ドルを投じる予定だという。2025〜2026年には、新たにDRAM向けにウエハー生産能力を増強することにより、最大2030年まで需要に対応できるようになる見込みだとしている。

 米国連邦政府が国内の半導体製造分野に向けて520億米ドルという多額の助成金を提供する法案が、2022年後半には議会を通過するとみられているが、Micronは投資計画の一環として、その助成金を受けることになるようだ。Mehrotra氏は、IntelのCEOであるPat Gelsinger氏と共に、米国議会が2022年3月23日に開催した、米国半導体業界の投資インセンティブに関する公聴会に参加していた。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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