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5Gとハイパースケーラーの融合で実現する新技術新たな課題も(3/3 ページ)

“5G(第5世代移動通信)対ハイパースケーラー”といった捉え方もあるが、5Gネットワークとハイパースケーラーは、最高の組み合わせであることは間違いない。

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新技術に伴う新たな課題

 このようなさまざまなメリットを得るためには、まだ多くの課題が残っている。例えば、ハイパースケールコンピューティングに関連するリソースの制約は、5Gが登場し、通信、ICP、ビッグデータストレージアプリケーションの需要が指数関数的に増加する中、スケーラビリティの課題を浮き彫りにしている。800G DCIのようなイノベーションがあっても、今後も水平方向に拡張し続けることは、物理的にも環境的にも不可能であることが証明されている。

 データセンターの展開や拡張のたびにファイバー数も比例して増加するため、ファイバーの損傷、汚染、破壊行為が発生し、サービスの中断、SLA違反のペナルティー、修理費用の高騰につながる可能性がある。実際、ファイバー敷設業者は、こうした問題修復に最大20%の時間を費やしており、DCIの問題は、平均修復時間やコストが高いことで知られている。


ネットワークのクラウド化プロセス[クリックで拡大] 出所:Viavi Solutions

 今後数年間のハイパースケールの課題として、分散型、分散型、クラウド型の5Gネットワークの複雑さが挙げられる。データセンターのコストは、規模と複雑さが現在の軌道をたどる限り、上昇し続けるだろう。例えば、仮想化RAN、massive MIMO、アンテナビームフォーミングは、いずれも企業やその他のエンドユーザーにとって大きなメリットがある。しかし、これらのテクノロジーは、スペクトラム解析、復調、SLA適合性といった新たな課題をもたらし、RFおよびネットワークの性能試験をさらに複雑なものにするのだ。

 これらの課題を克服し、5Gとハイパースケールの融合の可能性を最大限に生かすには、エンドツーエンドのネットワークスライスを各業界に合わせてシームレスに編成する必要がある。この大きな課題は、「回転イス式管理」やネットワーク管理に対するサイロ化されたアプローチに抵抗するものだ。データセンターとネットワークのテストと保証は、完全に自動化されたプログラマブルなネットワークスライスとエッジコンピューティングの目的とは相反する時代遅れの手法である。5G IoTの重要なユースケースでは、SLA適合性と信頼性に関してミスは許されない。

 つまり、5Gとハイパースケールの融合は、企業、都市、消費者、その他にとって大きな可能性を秘めているが、それを実現するためには、多くのエンジニアリング作業が必要になるということだ。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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