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独化学大手Merck、半導体材料の日本拠点に135億円超投資半導体需要の急増に対応(2/2 ページ)

ドイツの医薬/化学品大手Merckは2022年4月26日、日本のエレクトロニクス事業部門に対して、2025年までに1億ユーロ(約135億円)以上の投資を行うと発表した。半導体材料の研究開発(R&D)、製造における主要拠点である静岡事業所の強化が中心だ。

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半導体製造の全工程をカバーする製品群

 下図は、半導体製造工程における同社のカバー範囲を示している。同社はパターニング材料からパッケージング用材料まで、全工程で必要となる材料(図内青色部分)を扱っている。


半導体製造工程におけるMerckのカバー範囲[クリックで拡大] 出所:メルクエレクトロニクス

 今回、メインの投資対象となる静岡事業所では、主に半導体製造用のパターニング材料、スピンオン誘電体(SOD)、塗布絶縁膜形成材料、ディスプレイ用フォトレジストなどを開発、製造しているという。同社日本法人メルクエレクトロニクス社長、永田勝氏は、「今回の投資で、パターニング回路形成/薄膜形成材料に関し、新しい先端材料を市場提供する静岡事業所全体の能力、R&D、品質管理、製造を強化する」と説明した。


メルクエレクトロニクス社長、永田勝氏 出所:メルクエレクトロニクス

 なお、Merckは2021年1月にも、同事業所において約2000万ユーロを投じ、「静岡県西部の掛川市で最大規模」とする面積6000m2の新施設「セントラルオフィス」を開設するなど、積極的な投資を続けている。

 永田氏は、「静岡事業所にはR&Dから製造まで必要とされる全ての機能がある。この機能と、強力な開発パートナー、そして新規材料開発に必要な化学品原料メーカーが多数あるという日本に位置することの優位性を活用し、プロセス開発および材料のスケールアップができる。同事業所で新材料を開発し、少量製造を始め、その過程で量産製造に必要な技術的ノウハウを確立することで、Merckのグローバル製造ネットワークを通じて量産工場となるサイトへの効率的な技術移転を可能にする」と述べた。

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