LIBの世界市場、2025年には12兆3315億円規模へ:富士経済が電池関連市場を調査
リチウムイオン二次電池(LIB)の世界市場規模は、xEV用の需要拡大などから、2021年見込みの10兆5126億円に対し、2025年は12兆3315億円規模に拡大する。富士経済が予測した。
xEV用が市場をけん引、家庭用ESS設置の義務化にも期待
富士経済は2022年5月、リチウムイオン二次電池(LIB)の世界市場を調査し、2025年までの予測を発表した。LIBの市場規模はxEV用の需要拡大などから、2021年見込みの10兆5126億円に対し、2025年は12兆3315億円と予測した。
今回は、二次電池と一次電池の市場および、主な応用製品5品目における電池需要について調査をした。調査期間は2021年10月〜2022年2月。調査結果は、「2022電池関連市場実態総調査<上巻・電池セル市場編>」としてまとめた。この中から、同社が注目するLIBの世界市場について発表した。
2025年までのLIB市場は、中国を始め世界的に増加するEV需要に支えられ、xEV用が市場をけん引する見通しだ。ESS(電力貯蔵システム)やUPS(無停電電源装置)、BTS(無線基地局)用も2桁伸長を見込む。この結果、LIB市場全体で2021年は、2020年に比べ57.0%増加する見込み。2025年は、2020年比で84.1%の増加を予測した。
LIB市場を用途別にみると、「xEV用LIB」は2021年見込みが8兆1780億円となり、2020年比84.2%の増加となる。世界的に環境規制などが強まる中、自動車メーカーは戦略的にEVの生産台数を増やしている。バスやトラック、タクシーなどの公共用車両でもEV導入が本格化するとみられ、E-Bikeなども登場する。こうした動きを背景に、2025年の市場規模を9兆3890億円と予測した。
「小型民生用(シリンダー型/角型/ラミネート型)LIB」は、電動工具や園芸工具、ノートPC、電動アシスト自転車、ワイヤレスイヤフォンなどに用いられている。市場規模は2021年見込みが1兆7319億円で、2025年は1兆8455億円と予測した。
「ESS/UPS/BTS用LIB」市場は、2021年見込みの6027億円に対し、2025年は1兆970億円と予測した。特に、米国や中国、欧州では今後、家庭用ESSの設置が進むとみている。
コイン型リチウム二次電池市場についても調査した。2021年見込みの840億円に対し、2025年は1696億円と予測した。これまでは、ノートPCやデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなどが主な用途で、市場は低迷していた。ところが2017年にワイヤレスヘッドフォンに採用されたこともあり、需要は拡大に転じた。
二次電池+一次電池の世界市場は2025年に18兆円規模へ
今回の調査により、二次電池の市場規模は2021年見込みの14兆7953億円に対し、2025年は16兆6556億円になると予測した。一次電池市場は同様に1兆2189億円に対し、1兆3635億円となる見通しだ。この結果、二次電池と一次電池を合わせた電池の市場規模は、2021年見込みの16兆141億円に対し、2025年は18兆191億円と予測した。
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