LCD-TFTパネル向け偏光板、2021年比7.1%の増加:矢野経済研究所が世界市場を調査
矢野経済研究所は、偏光板と部材フィルムの世界市場を調査した。LCD-TFT/AMOLED向け偏光板の2022年生産量は、6億6550万m2になると予測した。2021年に比べ7.1%の増加になる。
偏光板市場、2022年以降も年率5%以上の成長を予測
矢野経済研究所は2022年6月、偏光板と部材フィルムの世界市場を調査し、その結果を発表した。この中で、LCD-TFT/AMOLED向け偏光板の2022年生産量は、6億6550万m2になると予測した。2021年に比べ7.1%の増加になる。
今回の調査は、「偏光板」と「主要部材フィルム」(位相差フィルム、PVA保護フィルム、表面処理フィルムなど)を対象とした。このうち、偏光板は「TFT-LCDパネル向け偏光板」(AMOLEDパネル向けやPM-VAパネル向けを含む)と、「その他」(TN-LCDパネル向けとSTN-LCDパネル向け)に分類し、メーカーの生産量ベースで算出した。調査期間は2022年3〜4月。
偏光板の2021年世界生産量は6億2745万m2で、2020年に比べ8.8%の増加であった。LCDタイプ別にみると、「LCD-TFTパネル向け偏光板」の生産量が6億2150万m2となり、全体の99.1%を占めた。コロナ禍での巣ごもり需要を反映し、ほぼ全ての偏光板メーカーがフル生産を続けた。好調な要因の1つとして、「パネルメーカーが部材不足による生産停止を回避するため、パネルの出荷面積を上回る発注を行った」と分析する。
LCD-TFTパネル向け偏光板の2022年生産量は、2021年に比べ7.1%の増加と予測した。2022年1月まで大手ディスプレイパネルメーカーの減産は続いていたが、同2月以降は増産に転じている。このため、2022年第2四半期時点では偏光板の需要が回復しているという。これを受けて、2022年4月には中国系を中心としたほぼ全ての偏光板メーカーがフル稼働に入った。
2022年下期の偏光板需要は、ウクライナ問題や中国におけるロックダウンの長期化など、さまざまな要因により市況は激しく変動すると予測する。中期的にはTVの大画面化などもあり、面積の拡大などによって偏光板市場は2022年以降も年率5%以上の成長が続くと予測した。
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