SMK、IRデータの無償トライアルサービスを開始:ライブラリーをクラウド上に構築
SMKは、家電製品のリモコンより送信される赤外線(IR)データを「SMK IRライブラリー」としてクラウド上に構築し、無償でIRデータを取得できる「トライアルサービス」を始めた。ライブラリーを活用すれば、スマートフォンなどから既存の家電機器を操作するシステムの開発が容易になる。
家電機器本体や付属リモコンの型番を指定するだけでIRデータを取得
SMKは2022年6月、家電製品のリモコンより送信される赤外線(IR)データを「SMK IRライブラリー」としてクラウド上に構築し、無償でIRデータを取得できる「トライアルサービス」を始めた。ライブラリーを活用すれば、スマートフォンなどから既存の家電機器を操作するシステムの開発が容易になる。
スマートホームの実現に向けては、家庭内に設置されたエアコンや照明機器、TVなどの操作を付属のリモコンではなく、スマートフォンやAIスピーカーで行うための技術開発が求められている。この技術を活用することで、家庭内にある機器を宅外から制御したり、声によって操作したりすることが可能となる。これらを実現するには、スマートフォンなどから送信される制御用の命令を、家電機器を制御するためのIRデータに変換する必要がある。
SMKが提供するIRライブラリーを活用すれば、「家電機器本体」もしくは「付属リモコン」の型番を指定するだけで、機器の制御に必要なIRデータを取得することができる。しかも、データベースをクラウド上に構築したことで、対応機種の拡大や新機種への対応なども迅速に行うことができるという。
現時点でIRライブラリーが対応している家電機器は、エアコンが11メーカーの9724機種、照明機器が13メーカーの1196機種、TV受信機が12メーカーなどとなっている。この他、扇風機やロボット掃除機、電動カーテンなどのデータも用意した。対象機種は順次拡大していく計画である。
なお、無償で提供されるトライアルサービスは、対応機種や機能が限定されるが、ライセンス契約を結ぶ前に、システムの評価などを容易に行うことが可能になった。提供を始めた無償トライアルサービスは、SMKのWebサイトから申し込むことで利用できる。
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