Imagination、一部のIPでライセンス料を撤廃へ:GPUやAIアクセラレーターなど
Imagination Technologies(以下、Imagination)は、開発者が同社のGPUおよびAI(人工知能)アクセラレーターIP(Intellectual Property)に容易にアクセスできるように、ライセンス料を撤廃した。この新しい「Open Access」プログラムでは、4つの「PowerVR Series8XE GPU」と3つの「PowerVR Series3NX NNA」へのアクセスを提供する。
Imagination Technologies(以下、Imagination)は、開発者が同社のGPUおよびAI(人工知能)アクセラレーターIP(Intellectual Property)に容易にアクセスできるように、ライセンス料を撤廃した。この新しい「Open Access」プログラムでは、4つの「PowerVR Series8XE GPU」と3つの「PowerVR Series3NX NNA」へのアクセスを提供する。ソフトウェアドライバーはImaginationから提供されるが、互換性のあるオープンソースドライバーを市場で入手することも可能だという。
さまざまなIPコアを使用してSoC(System on Chip)を開発する中小企業にとって課題の1つとなっているのが、ライセンスへの先行投資コストだ。他社製品と差別化したSoCを一から開発することは、多大な知識とリソースを必要とするコストのかかる事業である。IPを活用することで研究開発関連のコストとリスクを軽減し、製品を差別化することに集中できるようになるため、企業がIPを選択するのは自明の理だ。ImaginationのOpen Accessプログラムは、こうした初期段階の顧客に、シリコン実証済みのIPという選択肢へのアクセスを提供し、全体的なリスクを軽減するとともに、技術的な専門知識とツール、一貫した技術サポートによる支援を提供する。
ArmやAndes Technologyが提供する同様のプログラムと同じく、Open Accessプログラムによってライセンス料が撤廃されると、SoC設計への参入障壁が下がる。そのため、同プログラムの拡張によって、スマートホームやスマートシティー、スマートファクトリー、ヘルスケア技術などのアプリケーションにおける高度なIoT(モノのインターネット)およびAI製品の設計をより迅速に行えるようになる。
Imaginationは、「当社のOpen Accessプログラムは、Armの標準的な『Flexible Access』パッケージとは異なるものである。Flexible Accessパッケージは、年間20万米ドルの料金でArmのさまざまなIPやサポート、ツール、トレーニングへのアクセスを提供する。顧客は、設計をテープアウトすると追加のライセンス料を支払い、生産に入るとユニットベースのロイヤリティーを支払う」と説明する。
これに対し、Open Accessプログラムは、ライセンス料なしで、ImaginationのさまざまなIPやソフトウェア、ツールを利用できる。ArmのFlexible Accessとは異なり、最初の2年間は年間13万5000米ドルのエンジニアサポート料しかかからない。また、顧客がロイヤリティーを支払うのは、生産に入った時点だけである。ロイヤリティーは生産量に応じて減少し、1000万個を超えると商用モデルが適用される。
Imaginationの戦略的ビジネス開発担当シニアディレクターを務めるJim Wallace氏は、「業界全体の技術発展を推進するには、スケールアップレベルのイノベーションの実現が不可欠である。非常に高い品質の当社のIPは、シリコン実証済みで、当社IPを最も必要とする人々の設計リスクを大幅に軽減する。当社のPowerVR Series8XE GPUとPowerVR Series3NX NNAは、モバイルや自動車、民生機器など、幅広い市場に出荷されている」と語った。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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