ソニー、イメージセンサーのデモを公開(車載用):LiDAR用SPADから5.4MPのCISまで(2/2 ページ)
ソニーセミコンダクタソリューションズは2022年6月17日、同社の厚木テクノロジーセンター(神奈川県厚木市)にてメディア向けイベントを開催し、同社が手掛ける各種センサーのデモを報道機関向けに公開した。ここでは、車載に向けたデモを紹介する。
車載用のセンサーフュージョン
ソニーは、センサーからの情報を融合するセンサーフュージョンを差異化する技術として、独自の「アーリーフュージョン」を開発している。信号処理を行う前のローデータの段階で特徴量を抽出し、融合することで、高精度な物体認識の実現を目指す。
アーリーフュージョンにより、夜間や雨など、見えにくい環境でも対向車のヘッドライトなどを抽出しやすくなったり、駐車場で白線がなくても駐車スペースを正しく認識しやすくなったりすることから、より安全な運転支援や駐車支援といった用途への適用が期待される。
なお、ソニーが担うのは、センサーとソフトウェアにより、特徴量を抽出して、(物体などを)認識するところまで。その後の判断や、自動車の制御は、自動車メーカーの領域となる。「2025〜2026年の実用化を目指す。今後は、冗長性の確保などにも注力して、開発を進めていく」(同社)
車載LiDAR向けのSPAD距離センサー
車載LiDARに向けて開発した、SPAD(Single Photon Avalanche Diode) ToF方式距離センサー「IMX459」のデモも披露した。
SPADとは、「入射した1つの光子(フォトン)から、雪崩のように電子を増幅させる『アバランシェ増倍』を利用する画素構造」(ソニー)で、ごく弱い光でも検出できるという特長がある。IMX459は、dToF(ダイレクトToF)方式の受光素子であるSPAD画素と、測距処理回路を上下に積層し、Cu-Cu接続した構造を持つ。こうした独自構造の採用などにより、最大300mの遠距離から近距離まで、15cm単位で高精度、高速に測距できるとする。
IMX459は2022年末にもサンプル出荷を開始する予定だ。量産開始は2023年を予定している。
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