株価データベースを「Docker」で作ってみる:「お金に愛されないエンジニア」のための新行動論(4)(7/12 ページ)
今回は、株価情報のデータベースを「Docker」で作ってみます。長いエンジニア生活で私が学んだこと――。それは、「自力で作らなかったものは、結局、自分の”モノ”にはならない」ということです。だからこそ、やってみるのです。
江端の目にとまった「ソーシャルインパクトボンド」とは?
さて、今回、金融商品を調べている最中に、面白い商品を見つけましたので、ご報告したいと思います。
ソーシャルインパクトボンド(SIB: Social Impact Bond)です。これは、現在、わが国が直面しているさまざまな問題*)に対して、民間サービスの活用を促進させる、新しい金融商品です。
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行政の公共サービスの機能不全は、昔からずっと言われてきたことですが、この理由の一つに、会計年度単位で予算を消化しなければならない、という面倒くさい制約があります ―― まあ、「年度末に頻発する、どえらい迷惑な、予算消化のための道路工事」と言えば理解していただけるでしょうか。
これは「行政が無能」なのではなく(と信じたい)、行政では、例えば「5年単位で新しい公共サービスのプロジェクトを運用するのが難しい」のです。そこで、これをプロジェクトではなく、金(債券)という形で予算に組み込み、外注に丸投げすることで、長期運用の公共サービスを実現させるのです。
とまあ、ここまでがキレイな建前で、実際のところ私には、予算もないのに、あちこちからいろいろなことを言われて「悲鳴を上げている行政」が見えてきます。
SBI証券のサイトから、”SIB”でヒットする債券を探してみたところ、国内ではノーヒット、海外でいくつかが見つかり、募集機関の前に売り切れていました。パンフレットに記載されていた予想リターン率は結構高く(“40%”とか書いてあったような気がするけど、本当かな?)ちょっと驚きました。
SIBで報酬を支払う母体が、地方自治体という超優良団体であることを考えれば、当然かもしれません。SIBは、地方債を買うよりもおいしいのかもしれませんが、SIBの運営組織が潰れるというリスクもあります。
SIBの発祥はイギリスですが、日本でもいろいろな自治体が導入の検討を始めているようです。しかし、その実体についてはあまり良く分かっていません。先日、私が住んでいる市の市役所のページに”SIB”という言葉を見つけたので、早速インタビューを申し入れたのですが、
お問い合わせいただきましたSIBに関する取り組みですが、
現在のところ、◯◯市におけるSIBの具体的なお話はなく、
各事業を推進する際に、SIBなどの手法も含め検討をしている状況でございます。
という返事が戻ってきてしまいました。
そういう訳で、SIBについて取り組んでいて、私のインタビューに応じていただける自治体の担当の方、ご一方いただければ幸いと存じます(「sib_20220619@kobore.net」までご連絡ください)。本連載にて、ご紹介させて頂きたく考えております。
閑話休題。
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