最大4画面の投影が可能なコックピット向け開発ボード:SemiDriveとロームが技術協力
車載用SoC(System on Chip)を手掛ける中国・Nanjing SemiDrive Technology(以下、SemiDrive)とロームは2022年7月12日、自動車分野において技術開発パートナーシップを締結したと発表した。
車載用SoC(System on Chip)を手掛ける中国・Nanjing SemiDrive Technology(以下、SemiDrive)とロームは2022年7月12日、自動車分野において技術開発パートナーシップを締結したと発表した。
両社は2019年から技術交流を開始。自動車のマルチディスプレイ型コックピット向けのアプリケーション開発を中心に、協力関係を築いてきたという。今回は、その成果の第1弾としてSemiDriveの車載SoC「X9シリーズ」のリファレンスボードに、ロームのSerDes IC(ディスプレイ用とカメラ用)やPMIC(電源管理IC)などを搭載し、ソリューションとして提供を開始した。
同リファレンスボードには、上記のICの他、メモリ、オーディオインタフェース、イーサネットインタフェース、通信モジュールも搭載されている。このボードを活用することで、最大4つのスクリーン投影が可能なコックピットソリューションを実現できるとする。
なお、SemiDrive独自のハードウェア仮想化支援機能により、1個のプロセッサ上で複数のOSを実行できる。同時に、ハードウェアセキュリティ管理モジュールにより、OSからのコマンドをSoCやGPUに伝達することが可能だ。端子互換性を持つSemiDriveの他のSoCに置き換えることもできるので、回路を変更することなくアプリケーションの仕様変更が行える。
X9シリーズは、コックピットをはじめとするさまざまな車載アプリケーションで多くの採用実績がある。ロームのSerDes ICは、映像の伝送レートを最適化する機能により低消費電力化を実現。PMICは、電力効率が高く、高速応答機能を内蔵することで外付け部品も低減できるとする。いずれも機能安全規格であるISO 26262に対応している。
両社は今後も、パートナーシップを通じて、車載インフォテインメントやコネクティビティの他、ADAS(先進運転支援システム)、自動運転など、自動車分野の技術協力を幅広く展開していく計画だ。
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