世界半導体製造装置市場、2022年は過去最高に:SEMIが年央市場予測を発表
SEMIは2022年7月12日(現地時間)、世界半導体製造装置の年央市場予測を発表した。2022年の半導体製造装置市場は、過去最高の1175億米ドル(前年比14.7%増)に達する見通しである。2023年も続伸し、1208億米ドル規模と予測した。
2023年も続伸、1208億米ドル規模へ
SEMIは2022年7月12日(現地時間)、世界半導体製造装置の年央市場予測を発表した。2022年の半導体製造装置市場は、過去最高の1175億米ドル(前年比14.7%増)に達する見通しである。2023年も続伸し、1208億米ドル規模と予測した。
SEMIは、最大手半導体製造装置メーカーの見解や世界半導体製造装置市場統計(WWSEMS)、World Fab Forecastデータベースに基づき、市場予測を行っている。対象となる半導体製造装置(新品)には、ウエハーファブ装置やテスト装置、組み立ておよびパッケージング装置が含まれる(装置合計額はウエハー製造装置を除く)
半導体製造装置の中で、ウエハーファブ装置分野(ウエハープロセス処理装置、ファブ設備、マスク/レチクル製造装置)の世界販売額は、2022年に1010億米ドル(前年比15.4%増)を記録し過去最高となる。2023年は前年比3.2%増の1043億米ドルと予測した。
半導体製造装置の販売額をアプリケーション別にみると、ファウンドリーおよびロジック向けは、2022年が前年比20.6%増の552億米ドルになる。2023年も同7.9%増の595億米ドルと予測した。メモリおよびストレージ向けの装置需要も旺盛だ。2022年はDRAM装置市場が同8%増の171億米ドル、NAND装置市場は、同6.8%増の211憶米ドルを見込む。ただし、2023年については投資額も減少し、それぞれ7.7%減、2.4%減と予測した。
組み立ておよびパッケージング装置市場は、2022年に8.2%増の78億米ドルとなるが、2023年は77億米ドルで、0.5%の減少となる見通し。テスト装置市場は、2022年に同12.1%増の88億米ドルになり、2023年も0.4%増とわずかながら伸びると予測した。
2022年の設備投資を地域別にみると、上位3カ国は台湾、中国、韓国である。台湾は、2022年と2023年でトップの座を取り戻し、その後に中国と韓国が続く。
SEMIのプレジデント兼CEOを務めるAjit Manocha氏は、「ウエハーファブ装置分野は2022年に初めて1000億米ドルの大台に乗る勢いだ。市場のさまざまな領域にまたがる長期的トレンドが、デジタルインフラへの旺盛な投資と相まって、再びの記録更新へとつながっている」とコメントした。
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