フラッシュメモリ、NOR型に続いてNAND型が表舞台に(1980年代後半):福田昭のストレージ通信(221) フラッシュメモリと不揮発性メモリの歴史年表(5)(2/2 ページ)
今回は、1985年から1988年の主な出来事を報告する。NORフラッシュに続き、NANDフラッシュが表舞台に登場する。
インテルが「フラッシュ(Flash)」の呼称を積極的に使用
1985年には2月に東芝が256KビットのNORフラッシュチップを国際学会ISSCCで発表した。同年12月の国際学会IEDMでは、シークテクノロジー(SEEQ Technology)が256KビットのNORフラッシュ技術、エクセルマイクロエレクトロニクスが512KビットのNORフラッシュ技術を発表する。興味深いことに、この2社は講演タイトルに「フラッシュ」の表記を使用していない。
東芝以外の半導体メモリ企業で「フラッシュ(Flash)」の名称を使用したのはインテルである。インテルは標準型EEPROM(バイト単位の書き換えが可能なEEPROM)の開発をほぼ休止し、不揮発性メモリの開発資源をフラッシュメモリに集中した。1988年には、256Kビットの「フラッシュメモリ」を開発し、製品化する。「フラッシュ」あるいは「フラッシュメモリ」の名称を普及させたのは、インテルだとも言えよう。
1987年には東芝がNAND型のフラッシュメモリを国際学会IEDMで発表した。NAND型では、2層多結晶シリコンゲートのセルトランジスタを縦に接続してある。セル面積をNOR型と比べて大幅に小さくした。データ書き換えの原理はNOR型とは異なり、書き込みと消去の両方にFNトンネリングを採用した。
1988年にはフラッシュメモリの歴史で最も成功したベンチャー企業が設立される。ヒューズエアクラフトで不揮発性メモリの研究開発に携わっていたEli Harariらがフラッシュメモリ応用品の開発企業「サンディスク(SunDisk、後にSanDiskに改称)」を創業したのだ。
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