エネルギー密度が従来比約2倍の全固体電池を製品化:マクセル
マクセルは2022年7月25日、従来製品よりも約2倍のエネルギー密度を持つセラミックパッケージ型全固体電池「PSB401010H」を開発し、製品化したと発表した。リフローはんだによる基板への表面実装に対応し、105℃環境下で10年間使用できるという。2023年春に京都事業所に導入する量産設備で生産する計画。
マクセルは2022年7月25日、従来製品よりも約2倍のエネルギー密度を持つセラミックパッケージ型全固体電池「PSB401010H」を開発し、製品化したと発表した。リフローはんだによる基板への表面実装に対応し、105℃環境下で10年間使用できるという。2023年春に京都事業所に導入する量産設備で生産する計画。
従来品よりも体積を半分に
新製品は硫化物系固体電解質を使用したセラミックパッケージ型の全固体電池。「2021年3月に発表した同全固体電池(型番:PSB401515L)の容量や出力特性、耐熱性などの特性を維持したまま、構造とプロセスに関する技術を採用することにより、約2倍のエネルギー密度を実現した」とし、従来製品よりも体積を半分に小型化した。
サイズは10.5mm角、高さ4.0mmで重さは1.2g。標準容量8.0mAhで公称電圧は2.3V。充電における定電圧値は2.6Vで標準電流は4.0mA、放電における終始電圧は0Vで最大電流は30.0mAになっている。
リフローに対応し、医療、FA、車載などの市場狙う
最大温度250℃でのリフロー工程を経ても、容量や負荷特性などの基本特性に劣化が見られないことを確認。表面実装が求められる市場の他、滅菌処理が必要な医療機器市場、FA機器/車載機器などの市場に展開していく方針。
同社は「長年にわたり、リチウムイオン電池やマイクロ電池の開発と製造を行ってきた。そこで培ったアナログコア技術および、他社との協業による技術を融合し、新たに開発したプロセス技術を加えることで高性能かつ高信頼性を有する全固体電池を開発している。国内にあるマイクロ電池やリチウムイオン電池の工場、設備、製造技術およびノウハウを活用することにより、高容量セラミックパッケージ型全固体電池のすみやかな量産移行を計画している」としている。
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