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エレクトロニクス大手に特許訴訟を仕掛けたICレコーダー発明者の執念(1994年〜)福田昭のストレージ通信(230) フラッシュメモリと不揮発性メモリの歴史年表(11)(2/2 ページ)

1994年のICレコーダー発明にまつわるエピソードの続きをご紹介する。

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特許侵害の対象となった4つの基本特許

 2008年3月にe.Digitalが権利を侵害されているとした特許は4件。特許番号で記述すると「US5491774」(774特許と略記)、「US5742737」(737特許)、「US5787445」(445特許)、「US5839108」(108特許)である。


ICレコーダーに関する4つの米国特許。e.Digitalが米国連邦地方裁判所のテキサス州東部地区マーシャル支部に提出した訴状(2008年3月4日付)から[クリックで拡大]

 774特許はフラッシュメモリを使った携帯型記録再生装置に関するアイデア、737特許は携帯型録音装置のフラッシュメモリに音声メッセージを記録するアイデア、445特許はフラッシュメモリを主記憶に使う装置でファイル管理を改良したオペレーティングシステムのアイデア、108特許は携帯型記録再生装置のフラッシュファイルシステムに関するアイデアを発明とする。

発明企業の完全勝訴に終わった大規模な特許侵害訴訟

 2008年3月4日に起こした特許侵害訴訟は、特許権利企業であるe.Digitalのほぼ完全な勝利に終わった。法律専門Webサイト「Law.360」の複数の記事によると、訴えられた7社のすべてが2008年10月から2009年10月までの間に和解し、訴えと反訴を取り下げた。


e.Digitalが2008年3月4日にエレクトロニクス企業7社を特許侵害で訴えた訴訟の結果。なお略称も英文だが、一部はカタカナに和訳している[クリックで拡大]

 なおe.Digitalが特許侵害で訴えた企業は、上記7社以外にもあるとみられる。そしてe.Digitalは現在(2022年7月時点)、存在しておらず、同社がWebサイトで使っていたドメインは売りに出されている。

(次回に続く)

⇒「福田昭のストレージ通信」連載バックナンバー一覧

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