搭載用途が増える2セルリチウムイオン電池向け保護IC:日清紡マイクロデバイス
日清紡マイクロデバイスは2022年8月31日、さまざまな機器で搭載機会が増えている2セルリチウムイオン電池向けの保護IC「NB7200シリーズ」を発売した。「業界トップクラス」(同社)という高精度な過充電/過放電検出電圧モニターを備えるなどの特長を持つ。サンプル価格は1000個購入時参考価格として110円(税込)になっている。
日清紡マイクロデバイスは2022年8月31日、さまざまな機器で搭載機会が増えている2セルリチウムイオン電池向けの保護IC「NB7200シリーズ」を発売した。「業界トップクラス」(同社)という高精度な過充電/過放電検出電圧モニターを備えるなどの特長を持つ。サンプル価格は1000個購入時参考価格として110円(税込)になっている。
NB7200シリーズは、各セルモニター電圧範囲が4.2〜4.8Vでモニター精度が±15mVの過充電検出電圧モニターを備え、同社従来品に比べて精度が25%向上したとする。過放電検出電圧モニターについても各セルモニター電圧範囲が2.0〜3.2Vでモニター精度±35mVと、従来品比30%精度が向上したという。過充電検出電圧の高精度により安全性の向上に貢献するほか、過放電検出電圧の高精度化で、より電池残量を使用でき電池氏用時間を延ばすことが期待できる。
外付け抵抗での過電流検出を採用
同社の2セルリチウムイオン電池向け保護ICとしては初めて、外付け抵抗での過電流検出を採用。従来のFETセンスと比較し温度特性を含めた電流検出精度の向上を実現している。
消費電流は、動作時2.0μA(Typ値)/4.0A(最大値)、スタンバイ時0.2μA(過放電検出自動復帰タイプでの最大値)で「動作時低消費電流、低スタンバイ電流によって、アプリケーション駆動時間のより長時間化を可能にした」(同社)とする。
パッケージは、1.6×1.6×0.4mmサイズのDFN1616-8-GMを採用している。
これまで2セルリチウムイオン電池を搭載する電子機器は、デジタルカメラやポータブルDVDプレーヤー、タブレットPC、インターフォンなどが主だった。ただ、昨今ではこれら機器に加え、電動アシスト自転車、美容健康器具、玩具、小型電動工具、クリーナーなどでも採用されるようになっている。さらに一部のスマートフォンでも電池の大容量化、急速充電対応のためにこれまでの1セルリチウムイオン電池ではなく2セルリチウムイオン電池を採用する動きが出始めている。今回の新製品は、こうした2セルリチウムイオン電池搭載機器の増大に対応する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ミネベアミツミ、リチウムイオン電池保護ICを発売
ミネベアミツミは、スマートフォンなどモバイル機器の急速充電性能を高めることができるリチウムイオン電池保護IC「MQC860」を開発、2021年3月から量産を始める。 - 高精度過電流検知に対応した「世界初」の2セル保護IC
エイブリックは2022年5月31日、外付け電流検出抵抗による高精度な過電流検出が可能な2セル直列用バッテリー保護ICを発表した。 - 動作時の消費電流がわずか990nAの1セル電池保護IC
エイブリックは2021年7月6日、動作時の消費電流が最大で990nAと極めて低い1セルバッテリー保護IC「S-82M1A/S-82N1A/S-82N1Bシリーズ」の販売を開始したと発表した。ウェアラブル機器やワイヤレスイヤフォン、補聴器などに搭載されるリチウムイオン二次電池パック、リチウムポリマー二次電池パックの用途に向ける。 - 2段階保護機能を備えた高精度1セル電池残量計IC
Maxim Integrated Productsは2019年8月、スマートフォンなど1セルリチウムイオン電池を搭載するモバイル機器向け電池残量計IC「MAX17301/MAX17311」を発表した。 - Li電池用の超小型マルチファンクション充電IC
トレックス・セミコンダクターは2022年5月27日、充放電制御機能に加え、充電/電池電圧モニター、ワイヤレス給電対応などさまざまな機能を搭載したリチウムイオン電池用小型充電IC「XC6810シリーズ」を発表した。同日より発売しており、小型化が進むウェアラブル機器やIoTセンサー向けなどをターゲットに「数年後には年間50万個の販売を目指す」としている。