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オンセミ、SiCウエハー生産能力を2年間で16倍へ:チェコの工場で製造設備を拡張
オンセミ(onsemi)は、チェコ・ロズノフ市にある工場で、拡張を進めていたSiC(炭化ケイ素)の製造ラインが完成したと発表。今後2年間でSiCウエハーの生産能力が16倍に増強されるという。
2023年までに3億米ドルの追加投資を計画
オンセミ(onsemi)は2022年9月、チェコ・ロズノフ市にある工場で、拡張を進めていたSiC(炭化ケイ素)の製造ラインが完成したと発表した。今後2年間でSiCウエハーの生産能力が16倍に増強されるという。
オンセミのロズノフ工場では、シリコンポリッシュドウエハーやエピタキシーウエハー、ダイの製造に加え、2019年よりSiCポリッシュドウエハーとSiCエピタキシー(EPI)ウエハーの製造を始めた。SiCベースのパワー半導体は、EV(電気自動車)やEV充電装置といった用途向けで、今後も需要拡大が続く見通しから、2021年より新棟の増設工事を進めてきた。
オンセミはこれまで、ロズノフ施設に1億5000万米ドル以上を投資してきた。2023年までには、3億米ドルを追加投資する計画だという。これとは別に、米ニューハンプシャー州ハドソンにある工場でも拡張投資を行い、SiC単結晶の生産能力を5倍に拡張した。一連の投資により、SiCの製造サプライチェーンを完全にコントロールできる体制を整えた。
ロズノフ工場では、SiC製造ラインの完成を記念し、チェコ産業貿易省のズビニェク・ポコルニー課長やズリン州のラディム・ホリシュ知事、ロズノフ市のイリ・パブリカ市長ら、地元政府の要人が列席してテープカット式典が行われた。なお、ロズノフ工場では2024年末までに200人を新たに採用する予定である。
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