半導体前工程製造装置向け、2022年は過去最高に:SEMIが投資額の予測を発表
半導体前工程製造装置(ファブ装置)に対する2022年の投資額は、過去最高の990億米ドルに達する見通しである。2023年の投資額は970億米ドルに減少すると予測している。SEMIが発表した。
2023年は投資額減少も、半導体生産能力の拡大続く
SEMIは2022年9月27日(米国時間)、半導体前工程製造装置(ファブ装置)に対する2022年の投資額が990億米ドルに達する見通しであることを発表した。2021年に比べ9%の増加で過去最高となる。これは、半導体生産能力の拡大が2023年も続くことを示すものだという。ただ、2023年の投資額は970億米ドルに減少すると予測している。
このデータは、9月に発表された最新の「SEMI World Fab Forecastレポート」に基づいたもの。同レポートには1453のファブ/ラインのデータが収録されている。この中には2022年以降に量産を開始する148の計画も含まれているという。
2022年の投資額を地域別に見た。首位は台湾で300億米ドルとなる。前年に比べ47%と大幅な増加である。2位は韓国で、前年比5.5%減の222億米ドルとなった。3位は中国で、前年比11.7%減の220億米ドルと予測されている。この他、欧州/中東は過去最高の66億米ドルとなる見通し。他地域/国に比べ規模こそ小さいが、前年に比べ141%増と極めて大きい伸びとなる。
半導体前工程製造装置に対する投資額が高水準で推移する中、世界の半導体ファブ生産能力も拡大する。同レポートによると、2021年の生産能力は2020年に比べ7.4%上昇した。2022年はさらに7.7%増加する見通しである。2023年も5.3%の拡大を予測している。この結果、2023年には200mmウエハー換算で月産2900万枚規模の生産能力になるとみられる。
2022年の設備投資額のうち、84%以上は167のファブ/ラインにおける生産能力増強だという。2023年は129のファブ/ラインで能力増強が予定されている。投資先の製造ラインを見ると、過半数はファウンドリー分野で、メモリ分野は32〜33%を占めている。
SEMIのプレジデント兼CEOを務めるAjit Manocha氏は、「2022年に過去最高水準となった後、半導体製造装置の世界市場は、翌年も新規およびアップグレードのファブ投資により、高水準が続くだろう」とコメントした。
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