ST、車載照明に向けたLEDドライバーICを発表:CAN FD Lightプロトコルを搭載
STマイクロエレクトロニクスは、CAN FD Lightプロトコルを搭載した車載照明向けLEDドライバーIC「L99LDLH32」を発表した。有機EL(OLED)照明に適しており、ピクセルごとに駆動させることで、複雑な発光パターンや照明効果が得られるという。
同期用水晶発振子など、高価な外付け部品を不要に
STマイクロエレクトロニクスは2022年10月、CAN FD Lightプロトコルを搭載した車載照明向けLEDドライバーIC「L99LDLH32」を発表した。有機EL(OLED)照明に適しており、ピクセルごとに駆動させることで、複雑な発光パターンや照明効果が得られるという。
L99LDLH32は、1〜15mAの範囲で個別にプログラム可能な32個の安定化電源を備えている。これにより、車内外に取り付けられた照明機器の素子をピクセルごとに駆動させることができる。8ビット分解能で全ピクセルの一括調光も可能だという。また、車載バッテリー電圧で、最大35Vの出力を生成することができる。
L99LDLH32は、照明やセンサーなどシンプルな機器を制御するための通信バスプロトコル「CAN FD Light」に対応した。CAN FD Lightは、コマンダー/レスポンダー間の同期通信が可能で、高価な同期用水晶発振子を外付けする必要がないという。データ帯域幅は1Mビット/秒で、複雑な照明パターンの生成やスムーズな変調/調光も可能である。
メモリセルも内蔵した。電流制御やPWM調光に関するパラメーターを記憶させておけば、通信バスやコントローラに何らかの障害が発生しても、スタンドアロンでの動作が可能となる。「異常検出ピン」「電圧モニター」「温度モニター」「プログラム可能なタイムアウト・ウォッチドッグ」「短絡検知」「オープン・ロード検知」など、機能安全を実現するための機能も備えている。周波数ディザリングによってEMIも抑えた。
L99LDLH32は、独自のBCD9sLプロセスを用いて製造。パッケージは外形寸法が7×7mmで、放熱用の露出サーマル・パッドを備えたQFN48で供給する。車載用半導体向け信頼性試験規格「AEC-Q100」にも準拠している。
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