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SiTime、自動運転向けの車載用差動発振器を発表:高い耐環境性能と信頼性を実現
SiTimeは、シリコンMEMS技術を用いた車載用差動発振器「SiT9396/9297」を開発、サンプル品の出荷を始めた。自動運転レベル4/5に対応できる耐環境性能や信頼性を備えているという。
AEC-Q100のグレード1に準拠、位相ジッタは150フェムト秒
SiTimeは2022年9月、シリコンMEMS技術を用いた車載用差動発振器「SiT9396/9297」を開発、サンプル品の出荷を始めた。自動運転レベル4/5に対応できる耐環境性能や信頼性を備えているという。
完全自動運転車を目指し、レーダーやカメラ、LiDARなどさまざまな安全システムが開発され、自動車に組み込まれている。このため、自動車が自律的に安全な動作を行うために必要なデータ量も膨大となる。ある調査によれば、自動車が1時間で生成するデータ量は、現状で2Tバイトだが、2025年までには10倍の20Tバイトに達するという予測もある。
こうした中で車載ネットワークは、極めて厳しい動作環境でも高速にデータ転送を行う必要がある。特に、発振器などのタイミングデバイスに対しては、信頼性の高い動作保証が強く求められているという。
SiT9396/9397は、車載向け電子部品の信頼性試験規格「AEC-Q100」のグレード1(周囲温度範囲が−40〜125℃)に準拠している。主な仕様は、位相ジッタが150フェムト秒(代表値)、周波数安定性は±30ppm、出力タイプは、LVPECLやLVDS、HCSLおよび、低電力HCS、FlexSwingに対応する。パッケージは外形寸法が2.0×1.6mmなどで供給する。なお、周波数はSiT9396が1M〜220MHz、SiT9397が220M〜920MHzである。
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