連載
ビデオカメラの記録媒体にフラッシュメモリが進出(2003年〜2004年):福田昭のストレージ通信(244) フラッシュメモリと不揮発性メモリの歴史年表(25)(2/2 ページ)
今回は、動画記録用の媒体にフラッシュメモリを利用したデジタルビデオカメラを報告する。年表の時期は2003年〜2004年である。
PCカードスロットを5個備えた業務用ビデオカメラレコーダー
業務用では松下電器産業が2004年2月25日に、PCカード規格準拠のフラッシュメモリカード(製品名は「P2カード」)を記録媒体とする放送用ビデオカメラレコーダー「AJ-SPX800」を同年4月に発売すると発表した(参考記事)。価格は250万円(税別)。録画モードにはDVCPROモード(ビットレート25Mビット/秒)とDVCPRO50モード(同50Mビット/秒)、DVモード(同25Mビット/秒)がある。同時期に発売された4GバイトのP2カードにはDVCPROモードで約16分の映像を録画できる。
「AJ-SPX800」はPCカード(P2カード)スロットを5個内蔵しており、4GバイトのP2カードをすべてのスロットに装着することで、DVCPROモードの映像を最大で80分間、連続して録画できる。
松下電器産業はカメラのほか、P2対応業務用機器としてスタジオ用据え置き型ビデオレコーダー「AJ-SPD850」とP2カード読み書き装置「AJ-PCD10」を同時に発表した。いずれの機器もP2カードスロットを5個備え、カメラとスロット数をそろえている。また同社は一連のP2カード対応機器を「DVCPRO P2」のシリーズ名で発売した。その後はP2カード(フラッシュメモリカード)を記録媒体とする業務用デジタルビデオ機器を積極的に販売していく。なお「P2」とは、「Professional Plug-In」の略称である。
⇒「福田昭のストレージ通信」連載バックナンバー一覧
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- PHS内蔵の情報端末で始まった日本の「スマートフォン」(1996年〜1997年)
今回は、日本で初めてのスマートフォンをご紹介する。具体的には、日本独自の簡易型携帯電話システム「PHS(Personal Handy-phone System)」(当初の呼び名は「ピーエイチエス」、後の呼び名は「ピッチ」)と携帯型情報端末(PDA)を融合したデバイスである。 - 早すぎたスマートフォン「IBM Simon」の詳細(1994年)
前回に続き、IBMが開発した世界で初めてのスマートフォン「IBM Simon Personal Communicator」の詳細をご紹介する。 - NECが試作した世界初のフラッシュ対応携帯型オーディオプレーヤー(1994年)
今回は、NECが試作したフラッシュ対応携帯型オーディオプレーヤーを紹介する。 - (番外編)携帯型オーディオプレーヤーの歴史年表(1979年〜1993年)
今回は番外編として、携帯型オーディオプレーヤー(携帯型音楽プレーヤー)の主な歴史をたどる。 - マスクROMの始まり(1950年代〜1960年代)
今回は、これまでほとんど知られていなかった、マスクROMのルーツが判明したので、その内容をお届けする。 - EPROMの進化とEEPROMの誕生(1970年代)
フラッシュメモリに関する世界最大のイベント「フラッシュメモリサミット」で公開されるフラッシュメモリと不揮発性メモリの歴史年表。この歴史年表を過去から順に紹介していく。今回は、1970年代を解説する。