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Micronが1βnmノードのDRAMを出荷開始、広島で製造モバイル向けにLPDDR5Xから

Micron Technology(以下、Micron)は2022年11月1日(米国時間)、1βnm世代を適用したDRAM(以下、1β DRAM)の量産を開始したと発表した。同社によれば、加工寸法は13nmレベルだという。

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 Micron Technology(以下、Micron)は2022年11月1日(米国時間)、1βnm世代を適用したDRAM(以下、1β DRAM)の量産を開始したと発表した。同社によれば、加工寸法は13nmレベルだという。まずはモバイル分野をターゲットとし、特定のスマートフォンメーカーとチップセットメーカーに対し、LPDDR5Xの認定サンプルの出荷も開始した。


1βnm世代のプロセスを適用したDRAM(LPDDR5X)チップ[クリックで拡大] 出所:Micron Technology

 1ダイ当たりの容量は16Gビットで、データ転送速度は8.5Gビット/秒(bps)。2021年1月に量産を開始した1αnm世代に比べ、電力効率は15%、メモリ密度は35%以上向上した。

左=1βnm世代のDRAM(LPDDR5X)のイメージと構造の断面図/右=1βnm世代DRAMの主な仕様と、1αnm世代との比較[クリックで拡大] 出所:Micron Technology

まずはモバイル向けにサンプル出荷を開始したが、クライアント、データセンター、自動車など幅広い用途に向けて展開していく[クリックで拡大] 出所:Micron Technology

 1βnm世代のDRAM(以下、1β DRAM)の製造はまずは広島工場、次に台湾の工場で量産する。

EUVは使用せず

 MicronでDRAMプロセスインテグレーション担当バイスプレジデントを務めるThy Tran氏は、同年11月2日に開催したオンライン説明会で、1αおよび1βのいずれの製造プロセスにおいてもEUV(極端紫外線)リソグラフィーを使用していないと説明した。「現時点では、当社が開発した独自のマルチパターニング技術は、さまざまなパラメーターにおいてEUVで実現できる指標を上回っている。コストパフォーマンスの点からもマルチパターニングによる液浸リソグラフィー技術は有利であり、当面は液浸を採用していく。当社では、EUVの導入は、1γ(ガンマ)nmノード以降になるのではないか」(Tran氏)。ちなみに、競合であるSamsung ElectronicとSK hynixはともに、DRAMの量産にEUV技術を導入済みだ。

 Tran氏は「1αnm世代では、当社は競合他社よりも1年、先行していた。これは、積極的な投資を行ってきた結果だ。競合の動きには常に目を配っているが、他社のロードマップがどうであろうと、われわれは自分たちのロードマップに基づいて開発を行っていく。当然、1γnmノードもスコープに入れている」と強調した。

1β DRAMのウエハーのイメージ写真[クリックで拡大] 出所:Micron Technology

 Micronは2022年7月に、第6世代3D(3次元)NAND型フラッシュメモリとして、232層の3D NANDフラッシュの量産を開始している。Tran氏は「今回の1β DRAMの量産開始によってMicronは、ストレージとメモリの両方で最前線に立ち、リーダー的地位をより確固たるものにした」と強調する。同氏は「データの生成量は増加の一途をたどっている。データから価値を引き出すためには、より多くのデータを捉える必要があり、メモリは要の存在である」と語った。


Micronの最新のDRAMおよび3D NANDフラッシュメモリ[クリックで拡大] 出所:Micron Technology

スマートフォンからデータセンター、自動車などのエッジまで、必要とされるメモリ容量は増え続けている[クリックで拡大] 出所:Micron Technology

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