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夢物語が急速に現実へ、衛星とモバイルの直接接続AppleやT-Mobileなどが計画(2/2 ページ)

衛星とモバイル間の直接通信は、わずか1年余りで、サイエンスフィクションのような夢物語から、現実的な展望へと変貌を遂げた。AppleはGlobalstarと、T-MobileはSpaceXと共に、顧客が宇宙から届く信号に接続できるようにする計画に取り組んでいる。また、Amazonは、低軌道(LEO)衛星コンステレーション「Project Kuiper」を複数回打ち上げる準備を進めている。

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Appleの「衛星経由の緊急SOS」

 では、衛星からモバイルへの直接接続は実際にどのように機能するのだろうか。まず、会社によって、衛星からモバイルへの直接接続サービスの機能が異なることを知っておくのが重要である。

 Appleの「衛星経由の緊急SOS」は、Globalstarの 衛星ネットワークを使用して機能する。iPhone 14は、衛星にリンクするためのかさばる外部アンテナなしに同サービスを利用できるという。

 Solis氏によると、「かさばる外部アンテナでデバイスの美観を損なう代わりに、アンテナをデバイス内の上端に内蔵した」という。ただし、外部アンテナがないと、特にアンテナが衛星に面していない場合、信号ははるかに弱くなる。

 これに対処するために、AppleはiPhone 14にGlobalstarの衛星に接続するためのガイドを搭載している。Solis氏は、「メッセージを送信するには、電話の上部を上に向ける必要がある。このガイドは、ユーザーに電話を衛星に向けるように指示するために、衛星の1つが頭上を通過する場所を概算する」と説明している。

 米国の調査分析会社Acceleration Economyの寄稿アナリストを務めるLeonard Lee氏は、EE Timesに対し、「衛星からスマホへの接続を実現するには、特殊なアンテナ設計が最も重要な要素となる」と語った。同氏は、「現在GlobalstarのBand 53スペクトルまたは3GPP承認のn53をサポートするQualcommのSnapdragon X65とは別の特別なチップがあるかどうかを分解レポートで明らかにする」と付け加えた。

SpaceX/T-Mobileの計画

 一方、SpaceXとT-Mobileの契約は、SpaceXがStarlinkコンステレーションのために2023年に打ち上げ予定の第2世代LEO衛星に依存することになる。

 Musk氏は、イベントで「Starlinkの第2世代LEO衛星は、携帯電話と直接通信できるようになる」と述べた。第2世代LEO衛星は、大型で強力なアンテナを持ち、地上のT-Mobileの携帯電話からの信号を拾い処理するための複雑なソフトウェアも備えているという。

 Musk氏は、「これは、世界で最も先進的なフェーズドアレイアンテナだ」と語っていた。両社は今のところ、この方式をラボでテストしたにすぎない。SpaceXが2023年に約3万個の第2世代LEO衛星の打ち上げを開始するまで、彼らは実際にテストすることはできないだろう。

 ただし、この計画はまだFCCによる承認が必要だ。T-MobileのCEO兼社長であるMike Sievert氏は、この計画が軌道に乗ることを確信している。同氏は、「Starlink衛星は、ミッドバンドPCS(Personal Communications Service)のスペクトルの一部を用いて、ほとんどのT-Mobile社の携帯電話に接続する」と述べている。

 同氏は、「われわれは2023年後半にはβ版に着手できるだろう」と語っていた。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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