NXP、Matter対応機器向けワイヤレスMCUを拡充:トライラジオを統合した製品も
NXP Semiconductorsは、Matter規格に対応するスマートホーム機器に向けて、トライラジオワイヤレスMCU「RW612」と、マルチプロトコルワイヤレスMCU「K32W148」を発表した。既にサンプル品の出荷を始めている。
Matter対応スマートホーム機器の開発効率を高め、コスト削減も
NXP Semiconductorsは2022年12月14日、Matter規格に対応するスマートホーム機器に向けて、トライラジオワイヤレスMCU「RW612」と、マルチプロトコルワイヤレスMCU「K32W148」を発表した。既にサンプル品の出荷を始めている。
Matterは、Connectivity Standards Alliance(CSA)がスマートホーム機器の相互運用性を促進するために策定した標準規格である。この規格に準拠した機器は、ブランドが異なる機器間でも、シームレスかつセキュアな通信が可能となる。新製品は、Matterに対応したスマートホーム機器の開発工程において、その効率を高めコスト削減を可能にする製品である。
RW612は、i.MX RTクロスオーバーMCUファミリーと、セキュアなトライラジオを1チップに統合した。具体的には、TrustZone-Mを搭載した260MHz動作のArm Cortex-M33 MCUサブシステムと、「Wi-Fi 6」や「Bluetooth Low Energy 5.3」「IEEE 802.15.4」のマルチプロトコルを同時にサポートし、「Thread」あるいは「ZigBee」にも対応するトライラジオサブシステムを集積している。また、柔軟なアーキテクチャにより、ホストレス設計だけでなく、他のプロセッサと接続してRW612を用いるホステッド設計が可能である。
主な用途としては、サーモスタットやガレージドア開閉装置、ドアロック、IPカメラ、ロボット掃除機といったスマートホーム機器やスマート家電を視野に入れている。
K32W148は、メインコアの他、無線とセキュリティ実行環境のコアがそれぞれ独立したアーキテクチャとなっている。96MHz動作のArm Cortex-M33コアとメモリは顧客のアプリケーション処理用に開放している。無線部は「Matter」や「Thread」「Bluetooth LE 5.3」および、「ZigBee」といったマルチプロトコルをサポートする。デュアルPAN機能を搭載しているため、複数のIEEE 802.15.4ネットワークを共存させることが可能だという。
主な用途としては、スマートプラグやスマート照明、低消費電力のスマートデバイスやセンサーなどを考えている。
なお、RW612やK32W148は、NXPが提供する「EdgeLock Assurance」プログラムの一部であり、「リモートとローカルのソフトウェア攻撃からの保護」や「セキュア・ブート」「セキュア・デバッグ」「セキュアなOTA(Over-The-Air)ファームウェア更新」「ハードウェアによる暗号化」など「セキュリティ・バイ・デザイン・アプローチ」で設計されているという。
セキュアエレメント「EdgeLock SE05x」や、セキュアオーセンティケーター「EdgeLock A5000」ともシームレスに連係することができる。これによって、改ざん耐性を強化することが可能となる。鍵やデバイス証明書を管理する「EdgeLock 2GO」サービスもサポートする予定だという。
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