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「ヒューマンサイエンス」とは何か:福田昭のデバイス通信(380) 2022年度版実装技術ロードマップ(4)(2/2 ページ)
今回から、第2章「注目される市場と電子機器群」の本論に入る。はじめは第3節(2.3)「ヒューマンサイエンス」の概要を説明する。
2000年以降の累積ではタンパク質と核酸、がん、心疾患に関する論文が多い
続いて2000年以降に限定して「ヒューマンサイエンス」領域の論文を「PubMed(パブメド)」で検索した。材料分野では、タンパク質に関する論文が最も多く、次いで核酸(ゲノム)に関する論文が多い。医療分野では非感染症、特にがんに関する論文が圧倒的に多い。次は心疾患に関する論文である。なお日本人の死因トップツー(厚生労働省「2021年人口動態統計」、2022年9月発表)は1位ががん(悪性新生物)(死亡者に占める割合は26.5%)、2位は心疾患(同14.9%)である。
次回からは、第3節(2.3)「ヒューマンサイエンス」の概要を先述の分類に準じてご紹介していく。具体的には、第1項(2.3.1)「ヘルスケアデバイス」、第2項(2.3.2)「メディカル」、第3項(2.3.3)「人間拡張」の順番でロードマップの概要に触れる。
第2章第3節(2.3)「ヒューマンサイエンス」の目次。第1項「ヘルスケアデバイス」、第2項「メディカル」、第3項「人間拡張」で構成する[クリックで拡大] 出所:JEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会(2022年7月7日に開催された完成報告会のスライド)
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