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排せつ記録を自動化するセンサー、パナソニックが開発介護業務の負担を軽減

パナソニックは2023年1月19日、介護業務支援サービス「ライフレンズ」と連携可能な「排泄(はいせつ)センサー」を開発したと発表した。2023年3月から提供を開始し、介護従事者の業務負担軽減と高齢者のQOL(Quality of Life)向上を目指す。

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 パナソニックが2023年1月19日、同社が2020年から提供している介護施設向け介護業務支援サービス「ライフレンズ」と連携可能な「排泄(はいせつ)センサー」を開発したと発表した。今回発表した「排泄センサー」は、使用中の便座を交換することなく取付プレートを用いて簡単に設置でき、介護施設に設置することで入居者のトイレの入退出や排泄状態を24時間自動で検知し、時刻や回数、量などを記録する。便尿量は便が3段階、尿が2段階で検出可能。排便常体は硬い便/普通の便、柔らかい便、下痢便の3段階で検出できる。また、記録した排泄物の画像は、外部の記録媒体に保存して確認できる。

左=「排泄センサー」の構成/右=「排泄センサー」の仕組み左=「排泄センサー」の構成/右=「排泄センサー」の仕組み 左=「排泄センサー」の構成/右=「排泄センサー」の仕組み[クリックで拡大] 出所:パナソニック

 取得した排泄データは、「ライフレンズ」と連携させることで、施設事務所のPCやスマートフォンから確認できる。トイレの付き添いを必要最小限にすることが可能となり、排泄記録業務を効率化できるので、介護職員の負担軽減にもつながる。さらに、クラウドを介したソフトウェアアップデートにより機能も進化させていく予定だ。

「ライフレンズ」との連携イメージ
「ライフレンズ」との連携イメージ[クリックで拡大] 出所:パナソニック

 高齢化社会の到来により2025年には人口の約30%、2040年には人口の約35%が65歳以上の高齢者になると推定されている。それに伴い、介護サービスの利用者は増加し、2025年には577万人、2040年には672万人になるといわれている。一方で、少子化により介護の財源や人材不足が深刻化しており、介護施設におけるサービスの質向上と職員の負担軽減の要望が高まっている。中でも、自立して排泄が可能な利用者の排泄状態の管理は今まで利用者の自己申告で行われており、正確に把握することが難しかった。

 同製品は、ベネッセグループが運営する介護付き有料老人ホーム「グランダ四谷」で先行利用されていて、まずはベネッセグループ関連施設を中心に100台の導入を予定している。価格はオープン価格(参考価格:12万円+月額利用料1000円)で、「ライフレンズ」の排泄センサー機能単体の利用の他、睡眠センサーや在不在センサーとの同時契約も可能だ。

 パナソニックは、今回発表した「排泄センサー」をはじめ、他者の介護関連製品とも連携可能な介護業務支援プラットフォームの提供も行っている。今後は「ライフレンズ」の機能の一つとして提供し、2027年までに2万台の導入を目指す。

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