ローム、検出精度±1%の電流検出アンプICを開発:実装面積は従来に比べ約46%削減
ロームは、実装面積を大幅に削減でき、±1%の検出精度を実現した電流検出アンプIC「BD1421x-LAシリーズ」を開発、第1弾として「BD14210G-LA」の量産を始めた。無線基地局やPLC、インバーター、白物家電などの用途に向ける。
入力電圧範囲は−0.2〜26.0V、12/24V動作の用途に最適
ロームは2023年2月、実装面積を大幅に削減でき、±1%の検出精度を実現した電流検出アンプIC「BD1421x-LAシリーズ」を開発、その第1弾として「BD14210G-LA」の量産を始めた。無線基地局やPLC、インバーター、白物家電などの用途に向ける。
BD14210G-LAは、周辺回路を取り込むことによって、シャント抵抗器など数少ない部品を接続するだけで電流を検出できるようにした。回路構成に必要な部品点数は従来の11個から3個に減らせるという。この結果、実装面積は約46%も節減することが可能となった(パッケージはSSOP6で供給)。また、−40〜125℃の全温度範囲において、±1%の精度で電流検出を行うことができる。
さらに、内部回路を工夫しており、ノイズ対策用のRCフィルター回路を外付けしても、検出精度に影響は出ないという。入力電圧範囲は−0.2〜26.0Vで、12/24Vで稼働する装置の電流検出に適している。
BD14210G-LAは、既に量産を始めた。サンプル価格(税別)は350円。インターネット販売も開始しており、コアスタッフオンラインやチップワンストップなどのウェブサイトから購入することができる。BD1421x-LAシリーズとしては今後、チャネル数やゲインなどが異なる8製品(BD14210G-LA含む)を用意していく計画である。
ロームは、BD1421x-LAシリーズの発売に合わせ、「レファレンスデザイン」や「SPICEモデル」を公式ウェブ上に公開している。
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