太陽誘電の3Qは減収減益、情報機器向けで苦戦:厳しい状況、「年央まで続く」(2/2 ページ)
太陽誘電は2023年2月7日、2023年3月期第3四半期(2022年10〜12月)の決算発表を行った。売上高は、前期比8.4%減の790億3200万円、営業利益は同60.8%減の64億6200万円減収減益となった。
通期予想も下方修正、営業利益は前年比50%以下に
太陽誘電は、2023年3月期通期(2022年4月〜2023年3月)の業績予想も発表した。売上高は前年比9.9%減の3150億円、営業利益は同54.6%減の310億円、純利益は同63.2%減の200億円と発表した。いずれも前回(2022年11月)発表した業績予想から下方修正している。福田氏は下方修正の理由について、「設備部品のリードタイム長期化や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染状況を考慮した」と説明した。
予想を製品別にみると、コンデンサーの売上高は、2023年3月期第4四半期(2023年1〜3月)も引き続きPCやスマートフォンなどの生産台数減少や電子部品の在庫調整が続き、前年比11.0%減の2050億円を見込む。複合デバイスの売上高も、同じく不調が続き、同34.4%減の320億円とマイナス成長と予想。一方で、メタル系材料を使った製品が好調なインダクターの売上高は、第4四半期にはスマートフォン市場の季節的な需要減少により落ち込むものの、通期では同6.3%増の520億円となる見込みだ。自動車向けアルミニウム電解コンデンサーの需要拡大が続くその他製品の売上高は、同20.8%増の260億円とプラス成長になる見通しだ。
今後の市況予測について福田氏は、「足元では、各機器の需要動向や原材料のコスト増など予断が許さない状況が続いていて、2023年3月期第4四半期は少なからずマイナス影響を受けるだろう。情報機器向けの需要回復の見込みはまだ立っていないため、恐らく2023年度に入っても厳しい状況は続き、年央(7〜9月)ごろまでは継続すると思われる」と語った。
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