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FLOSFIA、アンペア級で耐圧1700VのGaO SBDを開発次世代EV、電力システム向け

FLOSFIAは、アンペア級の定格電流で耐圧1700Vのコランダム型酸化ガリウムショットキーバリアダイオードを開発した。次世代EV(電気自動車)や電力システムの省エネ化、小型化に貢献できるという。

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ミストドライ法で品質の高いα-Ga2O3薄膜を作製

 FLOSFIAは2023年3月、アンペア級の定格電流で耐圧1700Vのコランダム型酸化ガリウムショットキーバリアダイオード(α-Ga2O3 SBD)を開発したと発表した。次世代EV(電気自動車)や電力システムの省エネ化、小型化に貢献できるという。

 FLOSFIAは、京都大学発の新しいパワー半導体材料である「酸化ガリウム(Ga2O3)」の普及に向け、損失が極めて小さく高耐圧で大電流に対応するGaOパワー半導体の開発、実用化に取り組んでいる。

他の半導体材料とα-Ga2O3の位置付けおよび、バンドギャップと絶縁破壊電界の特性
他の半導体材料とα-Ga2O3の位置付けおよび、バンドギャップと絶縁破壊電界の特性[クリックで拡大] 出所:FLOSFIA

 同社はこれまでに、市販SiC(炭化ケイ素)を用いた製品に比べ、オン抵抗を86%も低減した耐圧600/1200VのSBDを試作し、サンプル出荷を行ってきた。京都大学桂キャンパス近郊には、マザー工場も整備した。

 今回は、独自のミストドライ法により作製した高品質のα-Ga2O3薄膜を用いてSBDを開発した。電極サイズは0.96mmで、縦型構造とした。製造プロセスや終端構造などを最適化して試作したSBDについて検証し、「アンペア動作」や「耐圧1700V」といった特性を確認したという。

今回開発したSBDの断面構造図(左)と顕微鏡写真(右)
順方向特性(左)と逆方向特性(右)
上図は今回開発したSBDの断面構造図(左)と顕微鏡写真(右)。下図は順方向特性(左)と逆方向特性(右) 出所:FLOSFIA

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