ニュース
田中貴金属工業、プローブピン向け新合金を発表:同一素材で幅広いタイプに対応
田中貴金属工業は、半導体の検査工程で用いるプローブカードやテストソケットのプローブピンに向けた新合金「TK-FS」を発表した。
「高硬度」「低電気抵抗率」「高屈曲性」の機能を同時に達成
田中貴金属工業は2023年4月、半導体の検査工程で用いるプローブカードやテストソケットのプローブピンに向けた新合金「TK-FS」を発表した。
同社はこれまで、半導体パッケージの検査工程に用いられるポゴピンタイプのコンタクトプローブピン向けに、パラジウム(Pd)系素材を数多く販売してきた。新たに開発したTK-FSは、ポゴピンタイプに加え、ウエハーテスト用プローブカードのカンチレバータイプやバーチカルタイプといったプローブピンにも対応できる材料である。
TK-FSは、「高硬度」で「低電気抵抗率」「高屈曲性」という3つの機能を同時に達成した。具体的には、ビッカース硬さが500以上で、電気抵抗率は7.0μΩ・cm以下、繰り返し折り曲げ耐性は10回以上である。これらの機能を達成したことにより、同一材料でさまざまなタイプのプローブピンに適用することが可能になった。
田中貴金属工業は今後、既存のプローブピン用製品をTK-FSに切り替えていく。これによって、TK-FSの出荷量を2028年までに既存製品の2倍にする計画である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- Infineon、ドイツに300mmウエハー新工場を建設開始へ
Infineon Technologiesは2023年2月16日(ドイツ時間)、2022年11月に計画を発表したドイツ・ドレスデンの300mmウエハー新工場の建設を開始すると発表した。2026年秋に稼働開始予定で、フル稼働時には年間で50億ユーロ程度の売上高を見込む。 - OKI、外形643×558mmなど大型テスト基板を開発
OKIサーキットテクノロジー(OTC)は、次世代半導体試験装置に向けて、サイズが大きいテスト基板を開発、量産を始めた。開発したテスト基板は、「96層」という高多層と「0.27mm」という狭ピッチを両立させながら、サイズを大型化した。 - 10年で4万人採用目指す、半導体メーカー8社が若手人材を熱望
JEITA(一般社団法人電子情報技術産業協会)は同団体が主催する展示会「CEATEC 2022」(2022年10月18〜21日、幕張メッセ)に半導体メーカー8社と共同ブースを構えた。出展したのは、キオクシア、マイクロン メモリ ジャパン、三菱電機、ヌヴォトン テクノロジージャパン、ルネサス エレクトロニクス、ソニー、東芝、ロームの8社。学生をターゲットに、半導体産業人生ゲームや半導体が使われている製品の展示などを通じて、半導体業界を身近に感じてもらうのが狙いだ。 - Nexperia、産業/車載用CFPダイオード製品を拡充
Nexperiaは、産業/車載用途に向けて、クリップボンドFlatPower(CFP)パッケージを用いた32種類の「プレナーショットキーダイオード」と、8種類の「超高速リカバリー整流器」を発表した。 - 半導体ウエハー内部の転位とひずみの分布を可視化
名古屋大学未来材料・システム研究所の原田俊太准教授は2022年6月、Mipoxと共同で半導体ウエハー内部の結晶欠陥(転位)とひずみの分布を可視化することに成功した。Mipoxはこれらの技術を自社のSiC結晶転位高感度可視化装置「XS-1 Sirius」に実装し、この効果を確認した。 - パワー半導体の信頼性を高める厚みがより均一な銅条
古河電気工業(以下、古河電工)は2022年6月22日、パワー半導体に使用される絶縁基板の反りを低減することのできる無酸素銅条の圧延技術を開発し、同技術を適用した無酸素銅条製品の出荷を一般に開始すると発表した。