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TDK、脱炭素事業の創出に向け米でCVCファンド設立へ:ファンド規模は1.5億ドルの予定
TDKは2023年5月19日、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンドを米国にて設立すると発表した。脱炭素関連事業の創出と新規技術の獲得を目的として子会社2社が出資し、ファンド規模は2028年までの5年間の運用で最大1億5000万米ドルを予定する。
2023年6月から5年間運用
TDKは2023年5月19日、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンドを米国デラウェア州にて設立すると発表した。脱炭素関連事業の創出と新規技術の獲得を目指す。TDKの子会社でCVC活動を担うTDK Venturesと、同じく二次電池の製造および販売を行う香港Amperex Technologyの2社が出資する。出資比率はTDK Venturesが67%、Amperex Technologyが33%。
TDKは近年、脱炭素やデジタルトランスフォーメーション(DX)といった市場の潮流を踏まえ、小型電池事業や家庭用蓄電池向け中型電池事業の拡大を図っている。CVCファンド設立により脱炭素に貢献するスタートアップ企業への資金提供や当該企業との事業提携を行い、関連事業の成長につなげるねらいだ。CVCファンドは2023年6月に設立および運用開始を予定している。運用期間は5年間で、ファンド規模は最終年度の2028年5月までに最大1億5000万米ドルを見込む。
TDKはプレスリリースで「技術開発を加速し成長戦略を強化するため2019年5月にCVC子会社TDK Venturesを設立し、今日に至るまで29の出資を実施してきた。今回のCVCファンド設立後の運用についてもこれらの知見を生かしていく」としている。
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