5G RedCap/セルラーIoT向けエミュレーターを展示:5G向けと同アーキテクチャを採用
キーサイト・テクノロジーは、5G(第5世代移動通信) RedCapやセルラーIoT向けに最適化したテストプラットフォーム「E7515R」を発表した。同社5G向けテスターとテスト項目は同じまま、機能を5G RedCapで求められる基準で調整したものだ。
キーサイト・テクノロジー(以下、キーサイト)は、ワイヤレス(無線)技術/ソリューションの専門展示会「ワイヤレスジャパン」(2023年5月24〜26日/東京ビッグサイト)に出展し、5G(第5世代移動通信) RedCap向けテストプラットフォーム「E7515R」を発表した。
5G RedCapは、ウェアラブル機器など、小型で低消費電力のIoT(モノのインターネット)機器を、5Gで接続しやすくするための拡張機能だ。5G通信の一部機能を制限することで、IoT機器が、5Gの持つ高速通信や低遅延などのメリットを享受しつつ、コストや消費電力を抑えられるように設計された規格だ。
E7515Rは、既存の5G向けテスター「E7515B」と同じアーキテクチャ/テスト項目を採用した上で、機能面を5G RedCapで求められる基準で調整したものだ。同社担当者は「例えば、E7515Rでは、E7515Bと比較してプロセッサの性能を抑えている。RedCapはキャリアアグリゲーションに対応しないため、計算能力の高いプロセッサを搭載する必要がないからだ」と説明した。E7515Rは、4G/LTEベースのIoTなど既存の通信技術にも対応しているため、1台で、セルラーIoT全般のテストを行える。
価格面では、性能面の調整や、ディスプレイを無くすなどのデザイン面を工夫することで、E7515Bと比べてコストを抑えている。活用場面は、スマートウォッチをはじめとしたウェアラブルデバイスや、公共交通機関の監視カメラなどを開発する際のテストを想定している。
同社担当者は、「キーサイトは、5G RedCap市場に企業規模を問わず多くの企業が参入し、今後1〜2年で対応機器もたくさん登場すると考えている。E7515Rは、5G RedCapに求められる性能基準を満たしつつ、より安価に端末のテストができるように開発したものだ」と説明した。同製品は、2023年2月28日から販売を開始している。
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