NVIDIAとMediaTek、車載用SoC開発で協業:Dimensity AutoにGPUを統合
NVIDIAとMediaTekは2023年5月、車載用SoCの開発で協業すると発表した。ソフトウェアで定義される車室内システムに向けて、MediaTekが開発する車載用SoCとNVIDIA製GPUチップレットやAI機能などを統合し、自動車メーカーなどに提供していく。
ソフトウェアで定義される車室内システム向けに提供
NVIDIAとMediaTekは2023年5月29日(台湾時間)、車載用SoCの開発で協業すると発表した。ソフトウェアで定義される車室内システムに向けて、MediaTekが開発する車載用SoC(System on Chip)とNVIDIAのGPUチップレットやAI機能などを統合し、自動車メーカーなどに提供していく。
今回の提携発表は、MediaTekのCEOを務めるRick Tsai氏と、NVIDIAの創業者でCEOを務めるJensen Huangが出席し、台湾で開催中の「COMPUTEX TAIPEI 2023」会場で行われた(発表はCOMPUTEX開催直前)。
MediaTekは今後、車載用SoC 「Dimensity Auto」とGPUチップレットを、インターコネクト技術により統合した製品を開発し、供給していく計画である。Dimensity Autoには、スマートマルチディスプレイや高ダイナミックレンジカメラ、オーディオ処理をサポートする「Dimensity Auto Cockpit」も含まれるという。
新たに開発するSoC上では、自動運転向けOS「NVIDIA DRIVE OS」や車室内をセンシングするオープンソフトウェア「DRIVE IX」の他、GPU用ツールキット「CUDA」やディープラーニング推論を高速に実行するためのソフトウェア開発キット「TensorRT」などを活用できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 最新チップを徹底比較! 〜最新スマホから復刻版ゲーム機まで
2022年第4四半期から2023年第1四半期に発売された最新プロセッサのうち、スマートフォン向けチップや、復刻版ゲーム機などに搭載されているチップを比較してみたい。 - 2022年世界半導体売上高ランキング、メモリ低迷もSamsung首位
Gartnerは2023年1月17日(米国時間)、2022年の世界半導体売上高(速報値)が前年比1.1%増の6017億米ドルとなったと発表した。ベンダー別でみると、Samsung Electronicsが2年連続で売上高トップとなった。 - 業績好調のMediaTek、次はメタバースと自動車へ
MediaTekは2022年11月25日、最新技術動向と今後の戦略に関する記者説明会を実施した。会見ではメディアテックジャパン社長の栫啓介氏とメディアテック本社から3人のエグゼクティブが登壇した。 - MediaTek、5Gスマホ向けチップセットを発表
MediaTekは、5G(第5世代移動通信)スマートフォン向けの新たなチップセット「Dimensity 1080」を発表した。200M画素カメラに対応する画像処理機能などを搭載している。 - 東工大、スパコン「TSUBAME4.0」が2024年春に稼働
東京工業大学学術国際情報センター(以下、GSIC)は、2024年春の稼働に向けて次世代スーパーコンピュータ「TSUBAME4.0」の構築を始める。国内のスパコンとしては「富岳」に次ぐ性能だという。 - 計算リソグラフィを40倍高速化するAIライブラリ
NVIDIAは、計算リソグラフィ(Computational Lithography)の高速化に向けたAIライブラリを発表した。1枚のフォトマスクの作成時間が、2週間から8時間に、大幅に短縮されるとする。TSMCは2023年6月から導入するという。