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次世代移動体通信「6G」を具現化する技術(前編):福田昭のデバイス通信(404) 2022年度版実装技術ロードマップ(28)(2/2 ページ)
今回から、「6G」を実現するために必要な要素技術を解説する。
「5G」のミリ波から「6G」ではサブテラヘルツ波へ
「6G」の無線通信に割り当てられる周波数は、「5G」よりも高くなる。利用可能な周波数帯域幅を広げることによって10倍の「高速・大容量」を実現する。また「5G」と同様に、2種類の周波数帯域を用意する。カバー範囲を確保した低めの周波数帯域と、高速・大容量を優先した高めの周波数帯域である。具体的には7.125GHz〜24GHzのマイクロ波・ミリ波帯と92GHz〜300GHzのサブテラヘルツ帯が候補となる。
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「6G」に向けた新たな周波数帯域の候補(注:この図面は実装技術ロードマップ本体には掲載されていない)[クリックで拡大] 出所:NTTドコモ、ホワイトペーパー「5Gの高度化と6G」(2022年11月(5.0版))
周波数帯域の拡大を「5G」と「6G」で比較すると、「5G」では「サブ6(Sub-6)」と呼ぶ3.7GHz/4.5GHz帯と、「ミリ波(mmW)」と呼ぶ28GHz帯が割り当てられている。これに対して「6G」では「ロウ/ミッドバンド(Low/Mid-band)」と呼ぶ5Gと重なる帯域と、「ハイバンド(High-band)」と呼ぶ5Gよりもはるかに高い帯域の利用が想定される。ハイバンドの最大周波数は100GHzを超えるとされる。
また5Gの「ミリ波」通信がサポートする最大周波数は現時点で52.6GHzに拡大された。将来は最大で約90GHzに高めることが考えられている。
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