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「世界トップレベルの日本語性能」、NECの独自LLM:生成AI事業、3年で売上高500億円指す(2/2 ページ)
NECが、軽量でありながら「世界トップレベルの日本語性能」(同社)を有する独自LLM(大規模言語モデル)を開発した。同社は2023年7月から法人向けの生成AIサービスを順次提供し、3年で売上高500億円を目指すという。
生成AI利用に必要な機能をまとめて提供
NEC Generative AI ServiceではNECの独自LLMに加えてプロンプト生成を支援するソフトウェア、オンプレミス環境での利用が可能となるハードウェア基盤やLLM活用シナリオの企画に関するコンサルティングサービスなどの提供を予定している。
2023年10月提供開始予定のソフトウェア「NEC Generative AI Framework」は、LLMに加えてプロンプトテンプレートや質問情報の付加、ファインチューニングなど、生成AI利用に必要な機能をまとめたものだ。千葉氏は「生成AIに質問を投げかけ、適切な回答を得るにはコツがいる。NEC Generative AI Frameworkでは顧客の社内データやノウハウを学習させることで、生成AI利用のそうした独特の難しさを解消できる」と述べた。
NEC Generative AI Frameworkのデモでは、NEC社内のデータを学習させたLLMから、同社独自の需要予測手法を検索する活用例を紹介していた。社内データを学習させることで、例えば金融業では顧客データを入力してその顧客に合った金融商品を検索するなどの使い方ができるという。デモ担当者は「人間の仕事を奪うという考えではなく、心強いパートナーと思ってほしい」と説明した。
「NEC Generative AI Framework」で社内データを検索
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