Arm、半導体分野の人材育成に向けアライアンスを発足:立ち上げメンバーに日本はおらず
Armは、ArduinoやCadence、コーネル大学などパートナーの協力を得て、半導体業界に関わる「新たな人材の発掘・育成」や「既存人材のスキル向上」に向けて、「Semiconductor Education Alliance」を発足させたと発表した。
産官学の主要パートナーが集結、連携強化で教育モデルをさらに進化
Armは2023年7月、ArduinoやCadence、コーネル大学などパートナーの協力を得て、半導体業界に関わる「新たな人材の発掘・育成」や「既存人材のスキル向上」に向けて、「Semiconductor Education Alliance」を発足させたと発表した。
Armはこれまでもさまざまなパートナーと連携し、教育プログラムを通じて人材の育成に力を入れてきた。新たに発足させたアライアンスでは、これまで行ってきた取り組みを統合し、新たなパートナーシップを構築。Armが提供してきた既存の教育モデルを進化させていく予定である。
いくつかのプロジェクトが既に進行中だという。例えば、「最先端のEDAツールと半導体設計資産(IP)を活用した、新たなVLSI設計の教育リソースへの取り組み」「コンピュータエンジニアリングと情報学の新しい遠隔ラーニングソリューション(開発中)」「最新の半導体製造技術を利用できる、アカデミアに向けたグローバルなSoC(System on Chip)設計プラットフォーム」などである。
より多様な人材を輩出していくためのプログラムも用意している。これまでの学歴や経験にとらわれず、多様な人材が業界に参加できる体制を整えるのが狙い。具体的にはインターンシップや実習制度、コーオプ実習、大規模公開オンライン講座(MOOC)プラットフォームによる遠隔学習トラックを通じ、実践的な経験を積むことができる機会を創出していくという。
なお、アライアンスの立ち上げメンバーとしては、ArduinoやCadence、コーネル大学の他、アングリア・ラスキン大学、インド工科大学(IIT)ジョードプル校、STMicroelectronics、Synopsys、台湾半導体研究中心、全インド技術教育審議会、Semiconductor Research Corporation、Semiconductor Industry Alliance、サウサンプトン大学、UK Electronics Skills Foundation、バレンシア工科大学が参加している。
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